新たな乳房構成判定法による観察者間の一致度の検討
要旨:マンモグラフィにおける乳房構成は, 判定にばらつきがあることが問題とされている. そこでばらつきの低減を目的に, 新たな乳房構成の評価方法(以下, 新法)が提示された. 本研究の目的は, 新法に基づき乳房構成を評価し観察者間での一致度が従来法と比べて高くなるか検討を行った. はじめに, 新法をImageJで評価し従来法と観察者間の一致度をFleiss's Kappaのκ係数を用いて検討した. ImageJを用いた新法κ=0.811は, 従来法κ=0.505に比べて高い一致度を示した. ImageJ評価の乖離症例は乳房構成判定の境界付近が多く, 乳房厚を考慮して判定をする. また...
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Veröffentlicht in: | 日本乳癌検診学会誌 2023-03, Vol.32 (1), p.57-61 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 要旨:マンモグラフィにおける乳房構成は, 判定にばらつきがあることが問題とされている. そこでばらつきの低減を目的に, 新たな乳房構成の評価方法(以下, 新法)が提示された. 本研究の目的は, 新法に基づき乳房構成を評価し観察者間での一致度が従来法と比べて高くなるか検討を行った. はじめに, 新法をImageJで評価し従来法と観察者間の一致度をFleiss's Kappaのκ係数を用いて検討した. ImageJを用いた新法κ=0.811は, 従来法κ=0.505に比べて高い一致度を示した. ImageJ評価の乖離症例は乳房構成判定の境界付近が多く, 乳房厚を考慮して判定をする. また大胸筋に濃度差や乳腺・血管が重なっている場合はROIの場所に留意する必要がある. 次に, 新法を技師3名の目視評価にImgaeJ評価を加えて検討した結果, 一致度はκ=0.685と低い値となった. 一致度が低くなった理由として, 大胸筋濃度はポジショニングの影響を受けるため注意が必要である. これらの結果から特徴を踏まえて若手技師にレクチャーを行い新法による目視評価を行った. これらをレクチャー時に加えることで, 若手技師の新法による目視評価はレクチャー前κ=0.629に対しレクチャー後はκ=0.728と改善した. 新法は従来法と比較してImageJ評価, 目視評価ともに観察者間で高い一致度を示した. しかし一致度を上げるためには, 適切にポジショニングされたマンモグラフィの画像であることや, 新法のレクチャーなどをして認識を統一させることが重要である. |
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ISSN: | 0918-0729 |