当院のステレオガイド下吸引式乳房組織生検での入射皮膚線量と水晶体線量の測定

ステレオガイド下吸引式乳房組織生検(以下ST―VAB)のUP―right 式による入射角度は,vertical 法やcranial 法があり,手技によって撮影回数が増え,患者の被ばく線量が多くなると考えられる。しかしST―VAB による被ばく線量を示した報告はない。本研究ではUP―right 式側臥位生検(以下側臥位法)での確定的影響の評価を目的として,入射角度vertical 法とcranial 法それぞれの入射皮膚線量と水晶体線量の測定を行い検討した。乳房部にPMMA ファントム(10mm×4枚)を用い,人体ファントムを側臥位で固定した。PMMA 入射表面と水晶体部にガラス線量計を配置した...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 2018, Vol.27(1), pp.56-61
Hauptverfasser: 小沢, 芳博, 藤光, 律子, 島倉, 樹子, 富永, 香織, 西川, 麻美, 上野, 登喜生, 田中, 稔, 吉満, 研吾
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ステレオガイド下吸引式乳房組織生検(以下ST―VAB)のUP―right 式による入射角度は,vertical 法やcranial 法があり,手技によって撮影回数が増え,患者の被ばく線量が多くなると考えられる。しかしST―VAB による被ばく線量を示した報告はない。本研究ではUP―right 式側臥位生検(以下側臥位法)での確定的影響の評価を目的として,入射角度vertical 法とcranial 法それぞれの入射皮膚線量と水晶体線量の測定を行い検討した。乳房部にPMMA ファントム(10mm×4枚)を用い,人体ファントムを側臥位で固定した。PMMA 入射表面と水晶体部にガラス線量計を配置した。線量測定は,ステレオ撮影も含め自験例全体の平均撮影回数13回で行った。vertical 法,cranial 法の入射皮膚線量は,81.95mGy,85.24mGy,水晶体線量は0.013mGy,0.028mGy であった。入射皮膚線量においては,cranial 法で軽度増加を認めたが,水晶体線量では入射口が近くなるcranial法での線量が約2倍であった。以上より,UP―right 式側臥位法でのST―VAB は,確定的影響のない低線量領域内で行われていることが明らかとなった。しかし,被ばく線量を抑える意味で入射角度は,vertical 法で行うことが望ましく,撮影回数を減らす工夫が今後の検討課題である。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.27.56