当診療所で診断された乳癌症例におけるマンモグラフィと超音波検査の成績: 非検出率に注目して

当診療所で診断された乳癌症例1,129例について,MMGおよびUSの検出能を検討した。症例の平均年齢は53.0歳で,すべて女性であった。MMGおよびUSの非検出率はそれぞれ12.0%,0.83%であった。年代ごとにおけるMMG非検出率については,20代から30代において15.7%と最も高値であった。以降年代とともに低下し,70代から90代においては4.7%と最も低値であった。US非検出率は40代において1.6%であったが,それ以外の年代においては1%未満であり,いずれもMMGと比べ低い傾向にあった。MMGによる病変非検出群と検出群における平均年齢はそれぞれ51.4歳,53.8歳で,非検出群にお...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 2014/06/25, Vol.23(2), pp.317-322
Hauptverfasser: 横溝, 十誠, 橋本, 秀行, 宮内, 充, 川上, 義弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当診療所で診断された乳癌症例1,129例について,MMGおよびUSの検出能を検討した。症例の平均年齢は53.0歳で,すべて女性であった。MMGおよびUSの非検出率はそれぞれ12.0%,0.83%であった。年代ごとにおけるMMG非検出率については,20代から30代において15.7%と最も高値であった。以降年代とともに低下し,70代から90代においては4.7%と最も低値であった。US非検出率は40代において1.6%であったが,それ以外の年代においては1%未満であり,いずれもMMGと比べ低い傾向にあった。MMGによる病変非検出群と検出群における平均年齢はそれぞれ51.4歳,53.8歳で,非検出群において有意に低かった(p=0.02)。平均腫瘍径はそれぞれ13.4 mm,19.6 mmで,非検出群において有意に小さかった(p<0.01)。さらに腫瘍径10 mm以下であった症例161例について検討すると,MMG非検出率は22.4%であった。非検出例(36例)と検出例(125例)の平均年齢はそれぞれ54.4歳と55.3歳で有意差を認めなかったが(p=0.39),平均腫瘍径はそれぞれ8.25 mmと8.73 mmであり,非検出例において有意に小さかった(p=0.04)。年齢に依らず,腫瘍径の小さい早期乳癌の発見のためにはMMGよりむしろUSの有用性が高いと考えられ,今後の乳癌検診のあり方について検討の余地があると考えられた。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.23.317