政令市浜松市の医師会型乳がん検診における精密検査施設の精度管理の現状と課題: 標準化は可能か

政令市浜松の浜松市医師会では,平成16年度より従来の医師会型検診を基盤にMMG併用検診を導入している。精度管理の一環で,毎年,検診の成績と今後の課題を報告しているが,精検結果未把握率が30%以上と高く,問題となっている。今年度より医師会に「がん検診委員会」が発足し,行政・医師会・検診施設が一体となった精度管理の協議の場が設けられ,精度管理体制が一歩前進した。今回は,精密検査施設対象のアンケート調査で,精度管理の現状把握と課題を見つけ,標準化の可能性を検討することを目的とした。浜松市医師会管内の精密検査施行10施設に対し,「乳かん検診の精密検査実施機関基準」の各項目の達成度をアンケート調査し,結...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 2014/06/25, Vol.23(2), pp.200-206
Hauptverfasser: 吉田, 雅行, 荻野, 和功, 小倉, 廣之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:政令市浜松の浜松市医師会では,平成16年度より従来の医師会型検診を基盤にMMG併用検診を導入している。精度管理の一環で,毎年,検診の成績と今後の課題を報告しているが,精検結果未把握率が30%以上と高く,問題となっている。今年度より医師会に「がん検診委員会」が発足し,行政・医師会・検診施設が一体となった精度管理の協議の場が設けられ,精度管理体制が一歩前進した。今回は,精密検査施設対象のアンケート調査で,精度管理の現状把握と課題を見つけ,標準化の可能性を検討することを目的とした。浜松市医師会管内の精密検査施行10施設に対し,「乳かん検診の精密検査実施機関基準」の各項目の達成度をアンケート調査し,結果より課題を検討した。「1)精密検査実施機関」については,健診センターでは細胞診のみで針生検が実施されていないが,他は全施設,視触診・精検MMG・US・細胞診・針生検が実施可能であった。「2)精密検査実施機関の基準」では,乳腺専門医(認定医)の常勤が半数で,特に診療所で問題となる。施設画像評価は,診療所3施設以外は受けていた。他の項目は,針生検・外科的生検を施行していない1健診センター以外は,基準を満たしていた。「3)記録の整備と報告」はすべての施設が◯回答であった。「4)精度管理」は委員会が今年度からの開始で,精度管理委員会への参加や細胞診などの成績の報告は今後の課題である。課題としては,1)乳腺専門医(認定医)の常勤,2)診療所の施設画像評価,3)精度管理委員会(がん検診委員会)の整備が挙げられ,「がん検診委員会」の実効的な役割が期待されるが,総合病院と診療所の同じ尺度での標準化は現時点では難しい。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.23.200