S-3. 実現可能で有効な乳癌検診―仙台市乳がん検診で出来たことと今後の課題

乳がん検診では, マンモグラフィ検診だけがその有効性を実証されている唯一の方法であるが, そのマンモグラフィでさえ検診の利益(死亡率減少効果)と不利益(精検率, 過剰診断及び治療, 放射線リスク等)のバランス(ネット利益)から有効なのは50歳以上に限定的とされる. 仙台市では平成13年度から50歳以上を対象にマンモグラフィ検診を導入し, 平成14年度からはその範囲を40歳まで拡大して検診事業を行って来た. マンモグラフィ導入初年度には受診者数は13,022名, 要精検率10.1%, 癌発見率0.38%, 陽性反応的中度3.3%であったが, 平成22年度には受診者数36,332名, 要精検率4....

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 2011, Vol.20 (3), p.291-291
Hauptverfasser: 鈴木昭彦, 石田孝宣, 甘利正和, 多田寛, 渡部剛, 玉城研太朗, 大内憲明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳がん検診では, マンモグラフィ検診だけがその有効性を実証されている唯一の方法であるが, そのマンモグラフィでさえ検診の利益(死亡率減少効果)と不利益(精検率, 過剰診断及び治療, 放射線リスク等)のバランス(ネット利益)から有効なのは50歳以上に限定的とされる. 仙台市では平成13年度から50歳以上を対象にマンモグラフィ検診を導入し, 平成14年度からはその範囲を40歳まで拡大して検診事業を行って来た. マンモグラフィ導入初年度には受診者数は13,022名, 要精検率10.1%, 癌発見率0.38%, 陽性反応的中度3.3%であったが, 平成22年度には受診者数36,332名, 要精検率4.3%, 癌発見率0.32%, 陽性反応的中度7.4%となった. 検診システムの改善には, 仙台市医師会の協力のもと, 一次検診医に毎年の医師会講習受診を義務化し, 検診結果が確定した後には検診医個人の成績表をフィードバック目的に通知するなどの地道な活動を継続してきた. また, 検診を行う側の医師会と精査医療機関との懇談会を行政(仙台市の担当者)を交えて毎年開催し, 検診から精査へのスムーズな流れの構築と, 精査医療機関の精度管理に関しても工夫してきた. 本発表では, 仙台市の乳がん検診の10年間を振り返り, 達成できたこと, 出来なかったこと, これからの課題や問題点を明らかにし報告する.
ISSN:0918-0729