BO-273 両側乳腺多発嚢胞の経過観察中に発症した乳癌の1例
【はじめに】多発嚢胞の経過観察において, 濃縮嚢胞を疑う場合でも, すべての病変について細胞診等を施行することは難しい. 今回, 我々は多発嚢胞の経過観察中に, 短期間で1病変が急速増大し乳癌と診断した1例を経験した. 【症例】40歳閉経前女性. 2年前の乳癌検診にて指摘された乳腺嚢胞の精密検査にて初診後, 定期的な経過観察とした. 08年11月の超音波上, 右乳房2時方向に境界明瞭, 楕円形, DW比低, 後方エコー増強, 血流のない腫瘤を認めた. 内部エコーを認めたが, 一部無エコーの部分が存在した. 画像上, 濃縮嚢胞と診断し, 半年後の経過観察とした. 09年6月, 超音波上, 同部位...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 日本乳癌検診学会誌 2009, Vol.18 (3), p.537-537 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 【はじめに】多発嚢胞の経過観察において, 濃縮嚢胞を疑う場合でも, すべての病変について細胞診等を施行することは難しい. 今回, 我々は多発嚢胞の経過観察中に, 短期間で1病変が急速増大し乳癌と診断した1例を経験した. 【症例】40歳閉経前女性. 2年前の乳癌検診にて指摘された乳腺嚢胞の精密検査にて初診後, 定期的な経過観察とした. 08年11月の超音波上, 右乳房2時方向に境界明瞭, 楕円形, DW比低, 後方エコー増強, 血流のない腫瘤を認めた. 内部エコーを認めたが, 一部無エコーの部分が存在した. 画像上, 濃縮嚢胞と診断し, 半年後の経過観察とした. 09年6月, 超音波上, 同部位に分葉状, 境界不明瞭, DW比の高い, 前回と明らかに所見を異にした腫瘤を認めた. 内部エコーは充実性で不均質, 血流は認めず, エラストグラフィではScore 2であった. 針生検にて浸潤性乳管癌, ER-, PgR-, HER 2-, 核グレード3と診断した. 【考察】濃縮嚢胞については, 血流を認めなくともDW比が高い場合には, 悪性病変を除外するために細胞診まで行う場合もある. 本症例においては, 超音波所見上, 全く悪性を疑うことができなかった. 非常に重要な症例と考えられ, 報告する. |
---|---|
ISSN: | 0918-0729 |