AO-006 乳腺クリニックの現状―乳癌検診と医療連携

近年の乳癌罹患率上昇や, 特に働き盛り世代を中心とした乳癌への社会的認識が高まっている. 各自治体ではマンモグラフィー検診を導入したが, その一方で検診要精査を含む患者数の増加は乳腺外来の混雑に拍車をかけ, 拠点病院が多数存在する東京都内でも待ち時間や診療の質へ影響を及ぼしていると思われる. 開業形態の乳腺クリニックの対象は, 乳癌検診(検診)の実施, 良性疾患の経過観察, 乳癌の診断と治療, 緩和医療であろう. 拠点病院と比較し, きめ細やかな診療や患者との距離の近さが利点として挙げられる. しかし, 限られた人的・物的資源のため, 単一施設で乳腺診療の全てを網羅することは難しく, 周囲各施...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 2009, Vol.18 (3), p.365-365
Hauptverfasser: 関根進, 八巻秀人, 露木静夫, 黒井克昌, 大塚恒博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年の乳癌罹患率上昇や, 特に働き盛り世代を中心とした乳癌への社会的認識が高まっている. 各自治体ではマンモグラフィー検診を導入したが, その一方で検診要精査を含む患者数の増加は乳腺外来の混雑に拍車をかけ, 拠点病院が多数存在する東京都内でも待ち時間や診療の質へ影響を及ぼしていると思われる. 開業形態の乳腺クリニックの対象は, 乳癌検診(検診)の実施, 良性疾患の経過観察, 乳癌の診断と治療, 緩和医療であろう. 拠点病院と比較し, きめ細やかな診療や患者との距離の近さが利点として挙げられる. しかし, 限られた人的・物的資源のため, 単一施設で乳腺診療の全てを網羅することは難しく, 周囲各施設の協力が必須となる. 当クリニックの1つの柱は検診であり, 東京都足立区の検診立ち上げ時から中心的役割を果たしている. また, 乳腺診療を行う上で不足するリソース(CT/MRI・放射線治療・手術/入院・夜間休日対応)を, 互いの利点となるように周囲各施設と連携を構築した. これら乳腺クリニックの現状と, 今後の方向性として本年度から参加するJ-START試験, 飽和状態である拠点病院の解決策として我々乳腺クリニックとの医療連携等を概説したい.
ISSN:0918-0729