乳癌検診の精度管理のあゆみと今後の課題

「はじめに」 わが国の乳癌罹患・死亡は増加の一途を辿っており, 罹患率は約20年前に胃がんを抜いて第1位になり, 現在では2位の胃がんの2倍にもなろうとしている. 10年前, 乳癌先進国といわれる欧米各国はその死亡率を低下させることを目標として, マンモグラフィ検診に取り組んでおり, その成果が報告され, 活発な議論がなされていたが, 「精度管理されたマンモグラフィ検診」が有効であることが認められるようになっていた1~3). これら欧米におけるマンモグラフィ検診を目標として, わが国でも精度管理されたマンモグラフィによる検診の実現を目指し, 活動が始められた. 本講演では, 精度管理の観点から...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 2009/06/30, Vol.18(2), pp.107-114
1. Verfasser: 遠藤, 登喜子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 わが国の乳癌罹患・死亡は増加の一途を辿っており, 罹患率は約20年前に胃がんを抜いて第1位になり, 現在では2位の胃がんの2倍にもなろうとしている. 10年前, 乳癌先進国といわれる欧米各国はその死亡率を低下させることを目標として, マンモグラフィ検診に取り組んでおり, その成果が報告され, 活発な議論がなされていたが, 「精度管理されたマンモグラフィ検診」が有効であることが認められるようになっていた1~3). これら欧米におけるマンモグラフィ検診を目標として, わが国でも精度管理されたマンモグラフィによる検診の実現を目指し, 活動が始められた. 本講演では, 精度管理の観点からわが国の乳がん検診のあゆみを振り返り, 現在抱えている今後の課題を報告した. 「1. マンモグラフィ検診実現を目指した精度管理活動」 マンモグラフィ検診の実現には精度の高い画像の実現と読影が基本であるとの方向性は, 富永初代班長以来続いていた厚生省(当時)がん研究助成金による研究班の命題であった.
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.18.107