乳がん検診の現状と課題(1) 大阪府におけるマンモグラフィ併用検診の現状と今後の課題

大阪府下での正しく精度管理のできたマンモグラフィ併用検診の推進を目的に, 各自治体保健センターを対象とした経年的なアンケートを実施し, その現状把握と今後の対策を検討した. マンモグラフィ併用検診は平成16年度には25自治体(57%)で導入され, 徐々に増加傾向がみられた. またさらに10自治体は平成17年度を目標に導入検討中であり, 厚生労働省新指針の影響がうかがえた. しかし, 導入市町村の多くは, 視触診単独検診とマンモグラフィ併用検診の混在であり, 地域開業医を中心とする医師会との連携も不足しており, 両者のコミュニケーション不足が目立った. 精度管理に対する認識が低く, マンモグラフ...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 2005, Vol.14 (2), p.114-122
Hauptverfasser: 増田慎三, 古妻嘉一, 中谷守一, 松並展輝, 古川順康, 中島 直, 竹川直哉, 本田育子, 田口哲也, 西 敏夫, 畑埜武彦, 寺田 央, 弥生恵司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:大阪府下での正しく精度管理のできたマンモグラフィ併用検診の推進を目的に, 各自治体保健センターを対象とした経年的なアンケートを実施し, その現状把握と今後の対策を検討した. マンモグラフィ併用検診は平成16年度には25自治体(57%)で導入され, 徐々に増加傾向がみられた. またさらに10自治体は平成17年度を目標に導入検討中であり, 厚生労働省新指針の影響がうかがえた. しかし, 導入市町村の多くは, 視触診単独検診とマンモグラフィ併用検診の混在であり, 地域開業医を中心とする医師会との連携も不足しており, 両者のコミュニケーション不足が目立った. 精度管理に対する認識が低く, マンモグラフィ精度管理中央委員会活動に対する認識も低いが, 近年は徐々に改善傾向がうかがえた. 受診率の低さも大きな課題であり, さらに, 住民をはじめ, 地域に根ざした開業医や保健師に対する乳房健康に関する啓発活動も必要である. 大阪乳がん検診研究会は, 大阪府での「正しい併用検診」の再構築を目指し, マンモグラフィ講習会や学術集会, さらに市民講座開催などの事業を企画, 実施している. 今後, ますます住民-医師会-行政のコーディネーター的役割を担い, 認知されるよう努力する必要があると考えられた.
ISSN:0918-0729