両側乳癌発見契機としての超音波検査の有用性

当センターにおける1994年より1997年までの3年間の乳癌542症例中, 原発性両側乳癌は43症例 (8%) 60癌巣であった。このうち, 同時性両側乳癌は17症例 (3%) 34癌巣, 異時性両側乳癌26症例 (5%) 26癌巣であった。これらの両側乳癌について, その臨床像および発見契機としての超音波検査 (US) の有用性について検討した。異時性両側乳癌の第2癌は, 20年にわたり漸次発生している。最長の間隔は43年であった。サイズは1cm以下が最も多く23癌巣 (38%) であった。非触知は19癌巣 (32%) であった。Stage分類は, Tis7癌巣 (12%), stage I...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 1998/10/20, Vol.7(3), pp.287-292
Hauptverfasser: 池田, 由美枝, 小野, 稔, 光山, 昌珠, 豊島, 里志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:当センターにおける1994年より1997年までの3年間の乳癌542症例中, 原発性両側乳癌は43症例 (8%) 60癌巣であった。このうち, 同時性両側乳癌は17症例 (3%) 34癌巣, 異時性両側乳癌26症例 (5%) 26癌巣であった。これらの両側乳癌について, その臨床像および発見契機としての超音波検査 (US) の有用性について検討した。異時性両側乳癌の第2癌は, 20年にわたり漸次発生している。最長の間隔は43年であった。サイズは1cm以下が最も多く23癌巣 (38%) であった。非触知は19癌巣 (32%) であった。Stage分類は, Tis7癌巣 (12%), stage I 33癌巣 (55%) であり, 早期癌は58%であった。USは, これら両側乳癌全例を検出し, マンモグラフィ (MMG) は, 55癌巣 (92%) を検出した。MMGが検出できなかった5癌巣のうち, 4癌巣は浸潤癌であった。乳癌症例における対側乳癌の発生は高率と言われており, 一側乳房に悪性所見を疑った場合, 対側乳房の検査は一段と慎重に進めなければならない。また, 対側乳房は長期にわたる厳重な経過観察が必要である。これらの検診手段としてUSは, 検出能, 診断能ともに有用であった。
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.7.287