乳癌検診の目標と検診による波及効果

生存率の差が, Stage IとIIの間よりStage IIとIIIの間の方が大きい乳癌では, 早期発見よりも進行乳癌 (Stage III, IV) になってから治療を開始する乳癌を減少させることに力点を置いた方が乳癌による死亡を減少させる効果があると考えられる。そこで, 1979年より京都市で行ってきた乳癌検診のうち, 進行乳癌になってから治療を開始する乳癌を減少させるために行ってきた努力について報告する。 京都方式の特徴は, 外科の開業医を中心に約230名の医師が検診医として参加。一次検診に超音波検査を併用。検診の際, 自己検診の重要性をアピール。超音波読影会の開催などである。検診医に対...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 1996/04/10, Vol.5(1), pp.23-27
Hauptverfasser: 沢井, 清司, 安住, 修三, 増田, 強三, 児玉, 宏, 角野, 宏達, 岡村, 九郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:生存率の差が, Stage IとIIの間よりStage IIとIIIの間の方が大きい乳癌では, 早期発見よりも進行乳癌 (Stage III, IV) になってから治療を開始する乳癌を減少させることに力点を置いた方が乳癌による死亡を減少させる効果があると考えられる。そこで, 1979年より京都市で行ってきた乳癌検診のうち, 進行乳癌になってから治療を開始する乳癌を減少させるために行ってきた努力について報告する。 京都方式の特徴は, 外科の開業医を中心に約230名の医師が検診医として参加。一次検診に超音波検査を併用。検診の際, 自己検診の重要性をアピール。超音波読影会の開催などである。検診医に対するアンケート調査では, 「1.0cmの腫瘍でも検診で発見できる」と回答した率は, 検診経験5年未満の医師が58.7%であったのに対し, 検診経験15年以上では92.5%と大きな差を認めた。また, 受診者の腫瘤自覚で発見された乳癌症例のうち, 検診医が視触診で腫瘤を発見した乳癌の比率をみると, 前期 (1979~1983) 30.3%, 中期 (1984~1988) 59.5%, 後期 (1989~1993) 70.0%と有意な (p
ISSN:0918-0729
1882-6873
DOI:10.3804/jjabcs.5.23