非触知乳癌の検討

乳癌検診において現在最も問題となっているのが, 非触知乳癌(T0乳癌)であるとおもわれる. そこで今回, 1993年8月より95年6月までに当科にて手術を施行した原発性乳癌75症例中の非触知乳癌について検討した. 全乳癌症例中, 非触知乳癌は7例(9.3%)であり, 全例に異常乳頭分泌(血性:4例, 漿液性:3例)を認めていた. 分泌物中CEA値は1000ng/ml以上が4例, 400ng/ml以上が3例と全例高値を示し, マンモグラフィでは3例に微細石灰化を, 超音波では全例ともに腫瘤像非形成型であった. 1例は乳管内乳頭腫の経過観察中, 同乳管末梢に非浸潤性乳管癌を生じたものがあった. 術...

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Hauptverfasser: 森園英智, 長瀬慈村, 遠藤光夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳癌検診において現在最も問題となっているのが, 非触知乳癌(T0乳癌)であるとおもわれる. そこで今回, 1993年8月より95年6月までに当科にて手術を施行した原発性乳癌75症例中の非触知乳癌について検討した. 全乳癌症例中, 非触知乳癌は7例(9.3%)であり, 全例に異常乳頭分泌(血性:4例, 漿液性:3例)を認めていた. 分泌物中CEA値は1000ng/ml以上が4例, 400ng/ml以上が3例と全例高値を示し, マンモグラフィでは3例に微細石灰化を, 超音波では全例ともに腫瘤像非形成型であった. 1例は乳管内乳頭腫の経過観察中, 同乳管末梢に非浸潤性乳管癌を生じたものがあった. 術式は, 両胸筋温存乳房切除術3例, 乳腺扇状切除術3例, 乳腺区分切除術1例であった. 以上の結果より, 検診においてより早期の乳癌を発見するためには異常乳頭分泌のチェック法が極めて重要であると考える.
ISSN:0918-0729