乳がん検診の目標と検診による波及効果

京都市では, 1979年より延べ281,309名の乳癌検診を行い, 323例の乳癌を発見した. 京都方式の特徴は, 外科の開業医を中心に約250名の医師が検診医として参加. 一次検診に超音波検査を併用. 検診の際, 自己検診の重要性をアピール. 各地区ごとにおける超音波読影会の開催. などである. 発見乳癌のうち, t0-1の占る率は42.7%と決して高くなかったが, 当初検診に不慣れであった検診医も16年間のうちに技術が向上し, 正確な診断が出来るようになった. さらに検診医は, 自らが担当するprimary careの場においても, 乳腺疾患の診断技術が向上し, より早期の段階で専門医に紹...

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Hauptverfasser: 沢井清司, 安住修三, 増田強三, 児玉宏, 角野宏達, 岡村九郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:京都市では, 1979年より延べ281,309名の乳癌検診を行い, 323例の乳癌を発見した. 京都方式の特徴は, 外科の開業医を中心に約250名の医師が検診医として参加. 一次検診に超音波検査を併用. 検診の際, 自己検診の重要性をアピール. 各地区ごとにおける超音波読影会の開催. などである. 発見乳癌のうち, t0-1の占る率は42.7%と決して高くなかったが, 当初検診に不慣れであった検診医も16年間のうちに技術が向上し, 正確な診断が出来るようになった. さらに検診医は, 自らが担当するprimary careの場においても, 乳腺疾患の診断技術が向上し, より早期の段階で専門医に紹介するようになった. これらの効果と自己検診の普及により, 京都市において治療された外来受診乳癌もより早期の乳癌が増加した. 〔結語〕比較的予後の良い乳癌では, 検診によりStage 0-1の早期乳癌をより多く発見することより, その地域においてStage 3-4になってから治療を開始する乳癌症例を減少させることの方がより重要である.
ISSN:0918-0729