乳癌集団検診で検出された炎症性乳癌

我々は, 視・触診に加え, マンモグラフィ, 穿刺吸引細胞診を一次検診の場で併用した, 出張方式による乳癌集団検診を行っている. 過去14年間の検出乳癌は113例, 検出率は0.15%である. これら検出乳癌では, Stage I以下の早期癌の割合は56.6%と高いながら, Stage III以上の症例も7.1%含まれる. これらの症例の多くは, 数年前より腫瘤を自覚しながら放置しており, 一般女性に対する乳癌の啓蒙が必要である. 今回は, 集検検出乳癌症例の中で, 極めて興味深い経過をとった2例を報告する. 〔症例1〕61歳, 女性. 数年前より腫瘤を自覚するも放置, 昭和63年に初めて乳癌...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 1993, Vol.2 (2), p.183-183
Hauptverfasser: 佐藤均, 岡崎稔, 渡部芳樹, 三神俊彦, 山田毅, 岡崎亮, 南田英俊, 佐藤卓, 岡崎裕, 鍋田光一, 浅石和昭, 平田公一, 成松英明, 田村浩一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は, 視・触診に加え, マンモグラフィ, 穿刺吸引細胞診を一次検診の場で併用した, 出張方式による乳癌集団検診を行っている. 過去14年間の検出乳癌は113例, 検出率は0.15%である. これら検出乳癌では, Stage I以下の早期癌の割合は56.6%と高いながら, Stage III以上の症例も7.1%含まれる. これらの症例の多くは, 数年前より腫瘤を自覚しながら放置しており, 一般女性に対する乳癌の啓蒙が必要である. 今回は, 集検検出乳癌症例の中で, 極めて興味深い経過をとった2例を報告する. 〔症例1〕61歳, 女性. 数年前より腫瘤を自覚するも放置, 昭和63年に初めて乳癌検診を受診した. その際の局所所見は, 左CE領域に3.1×2.0cmの腫瘤を認め, slight dimple陽性であった. 穿刺吸引細胞診にてClass IV, 乳癌と確診され, 左拡大乳切術を施行した. 病理組織診断は浸潤性乳頭腺管癌(ly_2 ,V_0 , n_2 )で, 乳房皮膚の真皮内に腫瘍細胞によるリンパ管の塞栓を認めた.
ISSN:0918-0729