細胞診(ABC)による乳癌診断の問題点
〔目的〕乳癌穿刺吸引細胞診(ABC)の正診率は向上し, 術前摘出生検の頻度は減少したが, 現時点ではまだFalse Negative症例が少なくない. 今回, 乳癌ABC症例のFalse Negativeに関与する因子について検討した. 〔研究対象及び方法〕1990年4月から, 1992年9月までに当科で根治術が行われた原発性乳癌278例中, ABCが施行された126例を対象にその成績を検討した. 穿刺吸引した細胞の塗末標本は, Papanicolau染色で検討した. 〔結果〕乳癌症例におけるABCの正診率は, 78.6%(99/126)であった. また疑診を加えた診断率は, 85.7%(10...
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Veröffentlicht in: | 日本乳癌検診学会誌 1993, Vol.2 (2), p.162-162 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 〔目的〕乳癌穿刺吸引細胞診(ABC)の正診率は向上し, 術前摘出生検の頻度は減少したが, 現時点ではまだFalse Negative症例が少なくない. 今回, 乳癌ABC症例のFalse Negativeに関与する因子について検討した. 〔研究対象及び方法〕1990年4月から, 1992年9月までに当科で根治術が行われた原発性乳癌278例中, ABCが施行された126例を対象にその成績を検討した. 穿刺吸引した細胞の塗末標本は, Papanicolau染色で検討した. 〔結果〕乳癌症例におけるABCの正診率は, 78.6%(99/126)であった. また疑診を加えた診断率は, 85.7%(108/126)であった. T因子別のABC正診率は, T1 76.9%, T2 78.5%, T3以上84.6%と腫瘤が大きくなるほど正診率は向上するが有意差は無かった. 組織型別のABC正診率を表1に示す. 通常型の中では, 充実腺管癌が, 最も良好で次いで乳頭腺管癌, 硬癌の順であった. 非浸潤癌は, 4例中正診は無く, 浸潤性小葉癌も正診率50%と不良であった. |
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ISSN: | 0918-0729 |