乳癌術前診断における穿刺吸引細胞診の意義

〔目的〕乳癌の診断法には視・触診をはじめとして, マンモグラフィー, 超音波などの画像診断があるが, いずれも補助診断法の域をでず, 確定診断は生検に頼らざるを得ないのが現状である. 一方, 穿刺吸引細胞診(Aspiration Biopsy Cytology:以下ABC)は乳腺の腫瘤性病変に対する診断法として広く施行されるようになってきている. そこで, 今回, その意義に関して検討を加えたので報告する. 〔対象〕1985年1月から1990年12月までの過去6年間に, 当科でABCが施行された乳腺腫瘤性病変3081例中, 生検以上の方法で確診が得られた519例を対象とした. なお, 当科では...

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Veröffentlicht in:日本乳癌検診学会誌 1992, Vol.1 (2), p.188-188
Hauptverfasser: 谷屋隆雄, 斎藤文良, 佐原博之, 福島亘, 角谷直孝, 薮下和久, 黒田吉隆, 小西孝司, 辻政彦, 福村健, 三輪淳夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:〔目的〕乳癌の診断法には視・触診をはじめとして, マンモグラフィー, 超音波などの画像診断があるが, いずれも補助診断法の域をでず, 確定診断は生検に頼らざるを得ないのが現状である. 一方, 穿刺吸引細胞診(Aspiration Biopsy Cytology:以下ABC)は乳腺の腫瘤性病変に対する診断法として広く施行されるようになってきている. そこで, 今回, その意義に関して検討を加えたので報告する. 〔対象〕1985年1月から1990年12月までの過去6年間に, 当科でABCが施行された乳腺腫瘤性病変3081例中, 生検以上の方法で確診が得られた519例を対象とした. なお, 当科ではcytologyのspecialistがその判定にあたっているが, より客観的な判定を得るため, 臨床的な情報はほとんど提供していない. 〔結果〕癌でありながらclass IないしIIと判定されたものが35例(16%)あり, 一方, 良性疾患301例中, 4例がclassVと判定され, 1例は線維腺腫, 3例は乳腺症であった. また, class IIIと判定された100例中68例が良性であり, その内51例(75%)が乳腺症であった.
ISSN:0918-0729