社会保険労務士が治療と仕事の両立支援を行う際に期待されるコンピテンシーの検討
目的:社会保険労務士(以下,社労士)は治療と仕事の両立支援の分野に種々の立場で関わるものの,その資格要件には両立支援に関する知識は含まれず,社労士がいかに両立支援の分野に関わることが期待されるかについての検討が十分であるとはいえない.本研究では,治療と仕事の両立支援を行う際に社会保険労務士に期待されるコンピテンシーを同定することを目的とした.対象と方法:第1ステップとして対象となる社労士に半構造化面接を行った.第2ステップとして面接結果をもとにコンピテンシーリスト(案)を作成した.第3ステップとしてデルファイ法を用い,両立支援の相談件数が10件以上の社労士にアンケート調査への協力呼びかけを行い...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 2023/05/20, Vol.65(3), pp.142-154 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:社会保険労務士(以下,社労士)は治療と仕事の両立支援の分野に種々の立場で関わるものの,その資格要件には両立支援に関する知識は含まれず,社労士がいかに両立支援の分野に関わることが期待されるかについての検討が十分であるとはいえない.本研究では,治療と仕事の両立支援を行う際に社会保険労務士に期待されるコンピテンシーを同定することを目的とした.対象と方法:第1ステップとして対象となる社労士に半構造化面接を行った.第2ステップとして面接結果をもとにコンピテンシーリスト(案)を作成した.第3ステップとしてデルファイ法を用い,両立支援の相談件数が10件以上の社労士にアンケート調査への協力呼びかけを行い,重要度(両立支援の関連業務を行う際にどの程度重要と思うか)と達成度(自らがどの程度達成しているか)を問うた.また提示したコンピテンシーリスト(案)以外に必要と考えられるコンピテンシーを問い,能力案の追加項目として加えた.第4ステップとして,ステップ3で有効回答をした者に対しステップ3の結果を提示した上で同意率(項目をコンピテンシーとして採用することに同意するか)を問い,同意率80%以上の項目をコンピテンシー項目として採用した.また,第3ステップで作成した追加項目について重要度と達成度を問うた.結果:ステップ1では24名の社労士から協力を得,ステップ2で6の大項目,18の中項目,71の小項目のコンピテンシーリスト(案)を作成した.ステップ3では,49名の社労士が参加し41名の協力を得た(回答率83.6%).新たに追加すべきコンピテンシーリスト(案)として5項目を追加した.ステップ4では,30名から協力を得た(応答率73.1%).同意率80%未満の項目はなく,同意率100%の項目が全項目の4割以上を占めた.結果,6の大項目,18の中項目,76の小項目がコンピテンシーリストとして同定された.結論:本研究により治療と仕事の両立支援の分野において社労士に期待されるコンピテンシーを提示した.本結果は,今後社労士を対象とした体系的な研修カリキュラムの開発の参考になることが示唆された. |
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ISSN: | 1341-0725 1349-533X |
DOI: | 10.1539/sangyoeisei.2022-011-E |