がん専門病院における就労相談・支援内容の実態調査

目的:国立がん研究センター中央病院相談支援センターにおける就労相談・支援の相談回数や雇用形態の違いによる特徴を分析する.方法:2018年5月から12月の8カ月間に当院相談支援センターにおいて主たる相談内容が就労である症例における患者背景,相談回数,相談内容を後方視的に分析した.結果:期間中に117名(男性46名,女性71名)の患者が相談に訪れ年齢の中央値は48歳であった.がんの原発臓器は乳房(28名),肺(16名),女性生殖器(10名)が上位を占めた.治療は化学療法が53名(45.3%)と最も多く,12名(10.2%)が再発患者であった.雇用形態は正規雇用52名,失業中24名,雇用形態不明17...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2022/11/20, Vol.64(6), pp.337-344
Hauptverfasser: 加耒, 佐和子, 宮田, 佳代子, 土屋, 雅子, 日下, 祥子, 小板橋, 美帆, 諸井, 夏子, 清水, 理恵子, 清水, 麻理子, 荒井, 麻理, 薮本, 麻紗子, 松永, 直子, 前田, 亮子, 岩佐, 悟, 堀之内, 秀仁, 里見, 絵理子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:国立がん研究センター中央病院相談支援センターにおける就労相談・支援の相談回数や雇用形態の違いによる特徴を分析する.方法:2018年5月から12月の8カ月間に当院相談支援センターにおいて主たる相談内容が就労である症例における患者背景,相談回数,相談内容を後方視的に分析した.結果:期間中に117名(男性46名,女性71名)の患者が相談に訪れ年齢の中央値は48歳であった.がんの原発臓器は乳房(28名),肺(16名),女性生殖器(10名)が上位を占めた.治療は化学療法が53名(45.3%)と最も多く,12名(10.2%)が再発患者であった.雇用形態は正規雇用52名,失業中24名,雇用形態不明17名,非正規16名,その他8名であった.就労状況は休職中40名,就労中35名,求職中15名,無職8名,その他19名であった.相談回数の中央値は1回(最小値1回,最大値11回)で,77名(65.8%)が1回で相談を終了した.相談内容は高額療養費,傷病手当金等に関する社会保障制度が37.6%(44件),求職相談が20.5%(24件),職場への伝え方が12.0%(14件),職場環境調整が11.1%(13件)と割合の多くを占めた.結論:がん専門病院における就労相談の実態調査を行った.相談の過半数は1回で相談を完了していた.相談内容は社会保障制度,求職相談のニーズが高かった.雇用形態等各属性における就労相談内容の特性に関してはさらなる検討が必要である.
ISSN:1341-0725
1349-533X
DOI:10.1539/sangyoeisei.2021-019-E