現在も発生する塗装工の鉛中毒
「はじめに」日本では, 1990年頃までは, 高速道路の橋梁など鉄に塗る塗料に, 防錆などのために鉛丹(四酸化三鉛)が混入されていた. 橋梁塗装は, 塗膜の劣化のため, およそ5-10年毎に塗り替えを行うが, この時にディスクグラインダーを用いて古い塗膜を削る作業(通称ケレン作業)により鉛粉じんが発生して, 鉛中毒を起こす事例が報告されてきた. 2013年10月に, 著者が担当している産業医学科外来で, 橋梁塗装のケレン作業中に曝露したと考えられる鉛中毒患者を診療する機会があった. これまでも塗装工の鉛中毒症例は報告され, 鉛中毒予防規則(以下, 鉛則)にも「剥鉛作業」として対象作業であると記...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 2015, Vol.57(5), pp.241-243 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」日本では, 1990年頃までは, 高速道路の橋梁など鉄に塗る塗料に, 防錆などのために鉛丹(四酸化三鉛)が混入されていた. 橋梁塗装は, 塗膜の劣化のため, およそ5-10年毎に塗り替えを行うが, この時にディスクグラインダーを用いて古い塗膜を削る作業(通称ケレン作業)により鉛粉じんが発生して, 鉛中毒を起こす事例が報告されてきた. 2013年10月に, 著者が担当している産業医学科外来で, 橋梁塗装のケレン作業中に曝露したと考えられる鉛中毒患者を診療する機会があった. これまでも塗装工の鉛中毒症例は報告され, 鉛中毒予防規則(以下, 鉛則)にも「剥鉛作業」として対象作業であると記載されているにもかかわらず, 現在も鉛中毒が発生している. 鉛含有塗料は古い塗膜仕様の鉄製建材としてどこにでも存在する可能性があり, 本症例が鉛曝露に至った経緯からすると, 今後も全国各地で鉛中毒が発生する危険性があると考えられた. |
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ISSN: | 1341-0725 1349-533X |
DOI: | 10.1539/sangyoeisei.D14003 |