12. 含鉄小体濃度と石綿・非石綿繊維の長さ・濃度との関係

「はじめに」肺内含鉄小体濃度は, 過去の無機繊維曝露量の指標として有用とされているが, 肺内石綿・非石綿繊維濃度, 特に種類やサイズ別の濃度との関係をみた研究は少ない. 両者の関連について検討した. 「対象および方法」東国大学校医科大学で剖検された19例を対象とした. 含鉄小体および被覆されていない繊維(繊維状物質)の計測は, 「石綿小体計測マニュアル」((独)労働者健康福祉機構編)に準じて行った. 「結果」19例の含鉄小体および繊維状物質濃度の幾何平均値は, 0.07×103本/g乾燥肺および0.64×103本/g乾燥肺であった. 含鉄小体濃度は繊維の長さ1μm未満のクリソタイル濃度, 1μ...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2012, Vol.54 (1), p.48-48
Hauptverfasser: 鈴木隆佳, 榊原洋子, 酒井潔, 林鉉述, 柴田英治, 久永直見, 小林章雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」肺内含鉄小体濃度は, 過去の無機繊維曝露量の指標として有用とされているが, 肺内石綿・非石綿繊維濃度, 特に種類やサイズ別の濃度との関係をみた研究は少ない. 両者の関連について検討した. 「対象および方法」東国大学校医科大学で剖検された19例を対象とした. 含鉄小体および被覆されていない繊維(繊維状物質)の計測は, 「石綿小体計測マニュアル」((独)労働者健康福祉機構編)に準じて行った. 「結果」19例の含鉄小体および繊維状物質濃度の幾何平均値は, 0.07×103本/g乾燥肺および0.64×103本/g乾燥肺であった. 含鉄小体濃度は繊維の長さ1μm未満のクリソタイル濃度, 1μm以上の無機繊維, 非石綿繊維濃度と有意な相関を認めた. 繊維状物質濃度は, 長さ1μm未満では有意な相関を認めなかった. 「考察」含鉄小体濃度は1μm未満のクリソタイル濃度を反映していることが示唆された. 今後より高濃度例も含めて検討を進める必要があると考えられた.
ISSN:1341-0725