第4回交通における安全と産業衛生の研究会
本研究会は交通運輸に関わる先生方の意見交換の場として始まりましたが, 平成22年度より本学会の正式な研究会としてご承認いただき, さらに充実した活動が期待されています. 第4回目の研究会は平成22年10月札幌で開催されました. 近年国交省の自動車事故分析の専門委員会の報告などで, 様々な輸送形態の事故にドライバーの健康要因が関わっていることが取り上げられ, 公共を問わず輸送関連事業者へ安全管理の強化が求められています. これまで本研究会に参加された先生方の声を踏まえて, “薬と公共輸送の安全”を課題講演に取り上げました. JR札幌病院保健管理部副部長佐藤広和先生をお迎えし, 「運転業務と薬の取...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 2011, Vol.53 (2), p.52-52 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究会は交通運輸に関わる先生方の意見交換の場として始まりましたが, 平成22年度より本学会の正式な研究会としてご承認いただき, さらに充実した活動が期待されています. 第4回目の研究会は平成22年10月札幌で開催されました. 近年国交省の自動車事故分析の専門委員会の報告などで, 様々な輸送形態の事故にドライバーの健康要因が関わっていることが取り上げられ, 公共を問わず輸送関連事業者へ安全管理の強化が求められています. これまで本研究会に参加された先生方の声を踏まえて, “薬と公共輸送の安全”を課題講演に取り上げました. JR札幌病院保健管理部副部長佐藤広和先生をお迎えし, 「運転業務と薬の取り扱いについて―鉄道の医学適性検査から」と題し, 鉄道運転士の乗務に影響する薬を中心に医学適性検査の交通法令や背景をまとめ, 労働衛生法令との対応の違いや遵守の課題点などについて具体的な事例を挙げて, 判りやすく解説いただきました. さらに自主的な鉄道産業医の間で作成した医学適性検査のハンドブックにも触れ, 各輸送形態と協調した“運転に使用しても良い薬のポジティブリスト”の作成などを提案されました. 追加発言として杏林大学医学部精神神経准教授山寺博史先生が「中枢に作用する薬物の副作用―特に眠気, 認知機能に関しての特徴と検出法」と題し, 臨床薬理学の観点から向精神薬から一般薬を含めた精神症状の副作用と運転業務の安全について解説され, 特に眠気症状の客観的検出方法について講演されました. 一般演題では, 鉄道乗務員のレーシック屈折矯正手術, 視野などの視機能に関わる医学適性検査の2演題と, 糖尿病のインスリンや新しい薬(DPP-4阻害薬やGLP-1アナログ), 睡眠障害への薬などと安全性についての2演題の合計4題の講演がありました. また, 「事業用自動車の運転者の健康管理に係るマニュアル」の活用について国交省自動車交通局主催の専門家検討委員会から, 同特別委員のJR東日本健康推進センター医学適性科部長笠原悦夫先生より紹介, 資料配布を行いました. 夜遅くの開催にもかかわらず多数の産業保健職, 研究者の先生方がご参加いただき, ここに感謝申し上げます. |
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ISSN: | 1341-0725 |