鼎談 三井鉱山の安全衛生

矢田は三井鉱山田川で坑内充填夫として働いた. 「援け合い」が自分の身を守る絶対条件であった. 援け合いは職場だけでなく, 生活の全ての面で独特の気風として炭鉱社会の根底にあった. 坑内での仲間との語合い, 死亡事故のときの儀式, 無事昇坑できたときの喜び, 安全週間での婦人会の出迎え, 長屋での集会など, 生涯忘れられない人生であった. 高田は三井産業医学研究所, 三井鉱山(九州, 北海道)で8年間産業医として働いた. じん肺や赤痢の予防, 坑内職場巡視, 炭住での健康相談等の業務をとおして「援け合い」の言葉と行動に魅せられ, 労働者にさまざまなことを教わった. 後に三井石油化学の産業医として...

Ausführliche Beschreibung

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2009, Vol.51 (4), p.46-46
Hauptverfasser: 矢田政之, 高田和美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:矢田は三井鉱山田川で坑内充填夫として働いた. 「援け合い」が自分の身を守る絶対条件であった. 援け合いは職場だけでなく, 生活の全ての面で独特の気風として炭鉱社会の根底にあった. 坑内での仲間との語合い, 死亡事故のときの儀式, 無事昇坑できたときの喜び, 安全週間での婦人会の出迎え, 長屋での集会など, 生涯忘れられない人生であった. 高田は三井産業医学研究所, 三井鉱山(九州, 北海道)で8年間産業医として働いた. じん肺や赤痢の予防, 坑内職場巡視, 炭住での健康相談等の業務をとおして「援け合い」の言葉と行動に魅せられ, 労働者にさまざまなことを教わった. 後に三井石油化学の産業医として, 挨拶でつくる心の健康, 浴場での背中の流し合いなどの活動を行うことができたのは, 鉱山での経験が役に立っていると思う.
ISSN:1341-0725