8. 1-ブロモプロパン胎仔期曝露が若年期の情動行動と認知記憶に及ぼす影響

フロン代替物質である1-ブロモプロパン(以下1-BP)の胎仔期曝露が神経行動にどのような影響を与えるかについては, いまだ検討されていない. そこで, 14日齢のラットの薬物応答性(ペンチレンテトラゾール(PTZ))と若年期(4~6週齢)における情動や認知記憶をオープンフィールド試験, 高架式十字迷路試験, 新奇物質探索試験の3つの行動試験により検討した. Wistar系妊娠ラットに700ppmの1-BPを1日6時間, 妊娠期間に連続20日間吸入曝露した. 実験には生まれた仔ラットを用いた. PTZへの応答性では, 対照群, 曝露群の間ではmyoclonus発作の潜時に有意差が無いものの曝露群...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2009, Vol.51 (1), p.12-12
Hauptverfasser: 野中美希, 笛田由紀子, 石田尾徹, 上野晋, 石松維世, 柳原延章, 保利一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:フロン代替物質である1-ブロモプロパン(以下1-BP)の胎仔期曝露が神経行動にどのような影響を与えるかについては, いまだ検討されていない. そこで, 14日齢のラットの薬物応答性(ペンチレンテトラゾール(PTZ))と若年期(4~6週齢)における情動や認知記憶をオープンフィールド試験, 高架式十字迷路試験, 新奇物質探索試験の3つの行動試験により検討した. Wistar系妊娠ラットに700ppmの1-BPを1日6時間, 妊娠期間に連続20日間吸入曝露した. 実験には生まれた仔ラットを用いた. PTZへの応答性では, 対照群, 曝露群の間ではmyoclonus発作の潜時に有意差が無いものの曝露群では全般化が起こりにくいという, 誘発性痙攣に異なる結果が得られた. オープンフィールド試験の結果から, 活動量が増加した可能性が考えられた. 新奇物質探索試験では, 若年期における記憶保持に影響したという結果が得られた. これらのことから, 1-BPが次世代の脳機能に影響を与える物質である可能性が示唆された.
ISSN:1341-0725