4. 逆行性感覚神経伝導速度測定 (SCV)―適用と課題

労働衛生領域の末梢神経障害研究には末梢神経伝導速度が用いられる. 榊原が, 振動障害者の正中神経の中指と尺骨神経の小指などの逆行性SCVの測定を行ない, 順行性では困難だった指などのSCVを容易にした. その後, 頸肩腕障害, 橈骨神経, 中指末節の記録などに拡大された. 問題点として, (1)ワイヤ電極はノイズを拾う, (2)測定距離・潜時差が短いための測定誤差により, 変動係数CVは時に15%超と大きい, (3)立ち上りの潜時の差に依存するために, 異常に遅い部分と異常に早い部分とが隣接して併存することがある, (4)大きいアーチファクトで立ち上りが不明な場合がある, (5)電気刺激がMC...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2008-01, Vol.50 (1), p.32-32
1. Verfasser: 平田衛
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:労働衛生領域の末梢神経障害研究には末梢神経伝導速度が用いられる. 榊原が, 振動障害者の正中神経の中指と尺骨神経の小指などの逆行性SCVの測定を行ない, 順行性では困難だった指などのSCVを容易にした. その後, 頸肩腕障害, 橈骨神経, 中指末節の記録などに拡大された. 問題点として, (1)ワイヤ電極はノイズを拾う, (2)測定距離・潜時差が短いための測定誤差により, 変動係数CVは時に15%超と大きい, (3)立ち上りの潜時の差に依存するために, 異常に遅い部分と異常に早い部分とが隣接して併存することがある, (4)大きいアーチファクトで立ち上りが不明な場合がある, (5)電気刺激がMCVよりも強くて不快感・苦痛が強い, がある. 解決策として, 粘着テープ型使い捨てリング電極の使用, 中指基部からDIP関節までなど長い距離の測定, 電気刺激の極性を交互にしてアーチファクトを縮減する, 被験者との強い信頼関係の構築, などが挙げられる.
ISSN:1341-0725