5. エチルベンゼン吸入曝露によるマウスの血液・代謝系および行動への影響

エチルベンゼン(EB)は, 作業現場で広く使用されているが, 生体影響について十分な検討がなされているとは言えない. よって, EBの亜慢性曝露における血液・代謝系, 行動への影響について検討した. BALB/c系およびC57BL/6系の雄性マウス(5週令)を用い, 曝露条件は, 濃度1,000ppm, 1日3時間(BALB/c)および6時間(BALB/c, C57BL/6), 週5日間の4週間曝露とした. 曝露初日に, BALB/cにおいて61匹中5匹に失調性歩行が見られたが, C57BL/Gでは見られなかった. 体重増加の割合は, BALB/cにおいて1週目で曝露群が低く4週目では高かった...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2008-01, Vol.50 (1), p.26-27
Hauptverfasser: 早瀬公美, 笛田由紀子, 石田尾徹, 上野晋, 吉田安宏, 石松維世, 保利一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:エチルベンゼン(EB)は, 作業現場で広く使用されているが, 生体影響について十分な検討がなされているとは言えない. よって, EBの亜慢性曝露における血液・代謝系, 行動への影響について検討した. BALB/c系およびC57BL/6系の雄性マウス(5週令)を用い, 曝露条件は, 濃度1,000ppm, 1日3時間(BALB/c)および6時間(BALB/c, C57BL/6), 週5日間の4週間曝露とした. 曝露初日に, BALB/cにおいて61匹中5匹に失調性歩行が見られたが, C57BL/Gでは見られなかった. 体重増加の割合は, BALB/cにおいて1週目で曝露群が低く4週目では高かった. 臓器重量は, C57BL/6で曝露群の小脳重量が低かった. 血中EBの半減期は32.1分であった. 臓器内のEB濃度は, BALB/cマウスで大脳より肝臓の方が高かった. 血液像は両系統ともにWBC数が低かった. FOB行動試験は, BALB/c曝露群で興奮活動性が高い傾向が見られた. BALB/cに見られた, 失調性歩行, 体重変化の差異, FOB行動試験の結果から, 系統間でEB感受性に違いがあることが示唆された.
ISSN:1341-0725