20. トリクロロエチレン曝露作業者に発症する全身性皮膚・肝障害 (1)血中サイトカイン量の変動と皮膚病型

近年, 中国のトリクロロエチレン使用職場で全身性皮膚・肝障害の多発が問題となっている. 我々はこれまでに一部患者でヒトヘルペスウイルス6型(HHV6)再活性化を伴うことを報告した. HHV6感染に伴うサイトカイン産生の上昇が報告されているため, 今回我々は患者の血中サイトカイン量の変動と皮膚病型との関係を検討した. 入院した患者28名に計5-6回採血を行い, IL-1β, IL-2, IL-4, IL-5, IL-6, IL-10, TNF-α, IFN-γを測定した. 剥脱性皮膚炎と診断された患者はTNF-αとIL-10が上昇し, 多形紅斑と診断された患者はTNF-αは上昇せず, IL-10...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2008-01, Vol.50 (1), p.24-24
Hauptverfasser: 岡村愛, 上島通浩, 伊藤由起, 柳場由絵, 山ノ下理, 那須民江
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 中国のトリクロロエチレン使用職場で全身性皮膚・肝障害の多発が問題となっている. 我々はこれまでに一部患者でヒトヘルペスウイルス6型(HHV6)再活性化を伴うことを報告した. HHV6感染に伴うサイトカイン産生の上昇が報告されているため, 今回我々は患者の血中サイトカイン量の変動と皮膚病型との関係を検討した. 入院した患者28名に計5-6回採血を行い, IL-1β, IL-2, IL-4, IL-5, IL-6, IL-10, TNF-α, IFN-γを測定した. 剥脱性皮膚炎と診断された患者はTNF-αとIL-10が上昇し, 多形紅斑と診断された患者はTNF-αは上昇せず, IL-10のみ上昇する傾向があった. TNF-αの上昇パターンの違いは剥脱性皮膚炎と多形紅斑の病型の判定や病態の解明に有用である可能性が考えられ, 今後も例数を増やし, これらの関係を明らかにしたい.
ISSN:1341-0725