2. 看護師における抗がん剤の職業性曝露によるDNA損傷の解析
目的:抗がん剤を取扱っている日本の看護師のDNA損傷レベルを測定し, 遺伝毒性への影響を検討した. 方法:東北地方の3病院に勤務する女性看護師121名と女性事務員46名(対照群)を対象に, 質問紙調査と採血を行った. 看護師のうち57人は6ヶ月以上抗がん剤を取扱っていた. 末梢血リンパ球を用いてコメットアッセイによるDNA損傷を調べ, その指標としてtail lengthとtail momentを用いた. 結果・考察:喫煙などの可能な共変量を用いて共分散分析をすると, 看護師群のtail lengthは対照群に比べて有意に長かった(p=0.020). また, 抗がん剤取扱い看護師群(57名)の...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 2007-11, Vol.49 (6), p.237-237 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:抗がん剤を取扱っている日本の看護師のDNA損傷レベルを測定し, 遺伝毒性への影響を検討した. 方法:東北地方の3病院に勤務する女性看護師121名と女性事務員46名(対照群)を対象に, 質問紙調査と採血を行った. 看護師のうち57人は6ヶ月以上抗がん剤を取扱っていた. 末梢血リンパ球を用いてコメットアッセイによるDNA損傷を調べ, その指標としてtail lengthとtail momentを用いた. 結果・考察:喫煙などの可能な共変量を用いて共分散分析をすると, 看護師群のtail lengthは対照群に比べて有意に長かった(p=0.020). また, 抗がん剤取扱い看護師群(57名)のtail lengthは非取扱い看護師群(64名)に比べて長い傾向を示したが, 有意な差は認められなかった. tail momentはいずれの群間にも有意差を認めなかった. 以上より, 我が国でも抗がん剤を取扱っている看護師はDNA損傷の潜在的なリスクを持つことが示唆された. |
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ISSN: | 1341-0725 |