事業所におけるメンタルヘルス事例の実態とケアの実施状況
事業所におけるメンタルヘルス事例の実態とケアの実施状況:丹下智香子ほか.国立長寿医療センター研究所疫学研究部―事業所の産業保健スタッフ等を対象として,種々の職域におけるメンタルヘルス事例の実態,ならびに具体的なメンタルヘルスケアの実情やその評価などについての質問紙調査を実施した(有効回答243通,17.0%).多くの事業所がストレス性疾患の労働者を抱えており,全体としてはうつ(47.2%),自律神経失調症(13.1%)などの有病者が多かった.そして長期休業者に関する集計から,特にうつは長期休業に至ることが多いことが示唆された.そのため,労働者のうつに関する対策を重点的に行うことが重要といえる....
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 2007, Vol.49(2), pp.59-66 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 事業所におけるメンタルヘルス事例の実態とケアの実施状況:丹下智香子ほか.国立長寿医療センター研究所疫学研究部―事業所の産業保健スタッフ等を対象として,種々の職域におけるメンタルヘルス事例の実態,ならびに具体的なメンタルヘルスケアの実情やその評価などについての質問紙調査を実施した(有効回答243通,17.0%).多くの事業所がストレス性疾患の労働者を抱えており,全体としてはうつ(47.2%),自律神経失調症(13.1%)などの有病者が多かった.そして長期休業者に関する集計から,特にうつは長期休業に至ることが多いことが示唆された.そのため,労働者のうつに関する対策を重点的に行うことが重要といえる.職場のメンタルヘルスケアとしては,ライン(管理・監督者)によるケアや事業所内の産業保健スタッフ等によるケア,および制度としての教育研修や検診等を実施している事業所が多かった.しかし事業者(あるいは事業所)によるメンタルヘルスケアに関する方針の明示は半数程度しか実施されていなかった.また,事業所内で実施しているメンタルヘルスケアに対する評価と事業所の患者率,長期休業者率の間には有意な関連は示されなかった.実施されているメンタルヘルスケアは必ずしも有効であるとはいえないようであった. (産衛誌2007; 49: 59-66) |
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ISSN: | 1341-0725 1349-533X |
DOI: | 10.1539/sangyoeisei.49.59 |