21. くも膜下出血および脳動脈瘤の遺伝要因の探索

くも膜下出血(SAH)は, 過労死, 高次脳機能障害に陥る可能性の高い疾患である. 業務関連疾患と考えられ労働災害保険の対象となる. 脳動脈瘤(IA)の破裂と形成, 増大の危険因子を同定し予防することは産業衛生学上, 必須の課題である. 対象は家系群(FP)29名, 弧発群(UC)333名, 対照群(CO)332名. 京都大学医の倫理委員会の承認を得て実施した. TNFRRSF13BにおいてFP29名, UC29名の全coding regionのsequenceで検出した4SNPsをUC304名とCO332名においてHaplotypeの相関を検討した. 同対象においてex3-5の全sequen...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 2006-01, Vol.48 (1), p.39-39
Hauptverfasser: 井上佳代子, 峰晴陽平, 井上純子, 小泉昭夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:くも膜下出血(SAH)は, 過労死, 高次脳機能障害に陥る可能性の高い疾患である. 業務関連疾患と考えられ労働災害保険の対象となる. 脳動脈瘤(IA)の破裂と形成, 増大の危険因子を同定し予防することは産業衛生学上, 必須の課題である. 対象は家系群(FP)29名, 弧発群(UC)333名, 対照群(CO)332名. 京都大学医の倫理委員会の承認を得て実施した. TNFRRSF13BにおいてFP29名, UC29名の全coding regionのsequenceで検出した4SNPsをUC304名とCO332名においてHaplotypeの相関を検討した. 同対象においてex3-5の全sequenceを行った. さらに危険因子をマッチさせたUC, CO各150名を用いて, MHC classII遺伝子(HLA-DQB2, HLA-DOA)のSNPsを加えHaplotyape相関を検討した. FP3家系においてdeleterious mutation(K154X, c.585-586insA, G76C)を検出した. Non-synonymous changesがUC(2.1%:13/608)においてCO(0.6%:4/664)よりも有意に高かった(p=0.025). Protective haplotype(OR=0.69 95%CI 0.52-0.92 p=0.012)を確認し, 危険因子として女性(OR=2.26 CI1.55-3.30 p=0.000), 高血圧(OR=1.97 CI1.44-2.70 p=0.000), 喫煙(OR=1.64 CI 1.12-2.42 p=0.012)を同定した. さらにMHC classIIとのhaplotype解析でもprotective haplotype(OR=0.22 95%CI 0.08-0.57 p=0.0017)を確認した. SAH, IAの原因に自己免疫の関与が示唆された.
ISSN:1341-0725