2.定期健康診断有所見率に関わる検討：第1報-検査実施率

「目的と結果の概要」この有所見率は, 県ごとに, また全国資料として, 企業の規模別(5段階), 業種別(17種)に集計されている. 各分類ごとにその高低や年次動向などが議論されている. 『有所見率』={Σ[受診者数]×[検査実施率]×[検査有所見率]-検査有所見重複者数}÷[受診者数], の関数となるため, 第1報では『検査実施率』に焦点を合わせた(福井, 全国). (1)規模別;有所見率は規模が小さくなるほど高い. 検査実施率も同傾向で, 両者は高い相関関係を示した. (2)業種別;有所見率と検査実施率の間の相関は希薄であって, 業種特性の優位を窺わしめた. (3)有所見率vs検査実施率及び検査有所見率の散布図は関連性の評価に有用であった. 「まとめ」有所見率は事業場の健康度を現すのみでなく, 定期健診の普及度, 充実度をも現しているとの認識が必要である.