ガス状化学物質の生体影響評価研究グループの研究紹介 1-ブロモプロパン毒性は脳と生殖器機能が危ない

1-ブロモプロパンの中枢神経系への影響を調べるために, スライス標本を使って海馬体神経細胞の機能を電気生理学的に調べている. 集合スパイク電位のペアパルス抑制はフィードバック抑制を示唆し, CA1領域では700ppm, 歯状回では400ppm以上の濃度でその有意な減弱が観察された. 今回我々は, 歯状回への影響閾値濃度である400ppmでWistar系雄性ラットに12週間(1日6時間, 週5日)曝露しながら, 精子運動能, 脳内Br-濃度と歯状回のフィードバック抑制の経時変化を解析した. その結果, 脳内Br-濃度は曝露4週でプラトーに達し, 前進精子の割合とフィードバック抑制は曝露8週から減...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 笛田由紀子, 欅田尚樹, 石田尾徹, 上野晋, 吉田安宏, 山下優毅, 柳原延章, 保利一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:1-ブロモプロパンの中枢神経系への影響を調べるために, スライス標本を使って海馬体神経細胞の機能を電気生理学的に調べている. 集合スパイク電位のペアパルス抑制はフィードバック抑制を示唆し, CA1領域では700ppm, 歯状回では400ppm以上の濃度でその有意な減弱が観察された. 今回我々は, 歯状回への影響閾値濃度である400ppmでWistar系雄性ラットに12週間(1日6時間, 週5日)曝露しながら, 精子運動能, 脳内Br-濃度と歯状回のフィードバック抑制の経時変化を解析した. その結果, 脳内Br-濃度は曝露4週でプラトーに達し, 前進精子の割合とフィードバック抑制は曝露8週から減少した. 我々の影響指標を用いた実験では, 精子運動能とフィードバック抑制への影響は同時期にみとめられた. 脱抑制から興奮性の亢進が示唆され, pathophysiologicalな機能変化への準備状態と考えられるのではないだろうか.
ISSN:1341-0725