看護婦の夜間勤務と睡眠問題に関する研究
目的:病院における夜間勤務によって発生する睡眠問題は, 看護婦の看護活動にまでその影響が及んでいると報告されている. そこで, 看護婦を対象にしたアンケートによる調査を実施した. 方法及び対象:首都圏を中心に設置されている大学付属病院等11施設に, 1997年4月に就職し, 病院に勤務している663名の看護婦を対象にし, 調査時期は1999年7月である. 各施設調査担当者(婦長)を通じて調査票の配布及び回収を行った. 11施設すべてに自記式無記名の同じ調査票が用いられた. 調査票の項目は1)性, 年齢, 夜間勤務状況等の属性, 2)睡眠の状況から成り立っており, 睡眠に関する項目ついては, ピ...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 2001, Vol.43 (3), p.75-75 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:病院における夜間勤務によって発生する睡眠問題は, 看護婦の看護活動にまでその影響が及んでいると報告されている. そこで, 看護婦を対象にしたアンケートによる調査を実施した. 方法及び対象:首都圏を中心に設置されている大学付属病院等11施設に, 1997年4月に就職し, 病院に勤務している663名の看護婦を対象にし, 調査時期は1999年7月である. 各施設調査担当者(婦長)を通じて調査票の配布及び回収を行った. 11施設すべてに自記式無記名の同じ調査票が用いられた. 調査票の項目は1)性, 年齢, 夜間勤務状況等の属性, 2)睡眠の状況から成り立っており, 睡眠に関する項目ついては, ピッツバーグ大学で開発された睡眠の質に関する質問票(PSQI)の日本語版から9項目選び, さらに1)入眠のためのアルコール使用, 2)眠気による仕事上のミスについての項目を独自に作成して追加した. 結果:看護婦の勤務体制と睡眠時間との傾向は統計学的(t検定)に有意な差は認められなかった. 具体的には夜間勤務「なし」の看護婦1ヶ月平均睡眠時間は6.0h, 「あり」は5.9h, また夜間勤務「2交代制」の看護婦は5.9h, 「3交代制」は5.8h, さらに夜間勤務回数の「多い」看護婦は5.9h, 「少ない」は6.0hであった. また, 睡眠項目と夜間勤務体制との関係では, 夜間勤務の有無と入眠のためのアルコール使用, 夜間勤務の回数と運転中, 食事中及び社会活動中の眠気の関係では統計学的に有意な関係が認められた. 夜間勤務看護婦の平均睡眠時間を多少で分けて比較すると, 自分の睡眠に対する評価, 入眠障害, 早朝覚醒, 運転中食事中及び社会活動中の眠気の4項目について統計学的に有意な関係が認められた. 結論:夜間勤務看護婦が質の良い睡眠を確保するためには十分な睡眠時間を取ることが示唆された. (J Occup Health 2001;43:150-156) |
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ISSN: | 1341-0725 |