胃電図からみた職務負担要因解析の試み

非侵襲的な生理機能評価法である経皮的胃電気活動(いわゆる胃電図)に着目し, 消化管系機能の客観的ストレス評価指標として本法が利用可能であるか検討した. 対象は, 夜勤の多い某電気機械機器産業従業員85人とし, 胃電図測定は, 空腹時安静仰臥位にて5分間実施し, 後にPower Spectral Analysis(最大エントロピー法)にて1~5cpmの周波数帯域でのパワー値から評価指標を算出した. 胃X線検査有所見者の胃電図では周波数がやや高く総パワーが低い傾向が, 糖尿病既往者では周波数がやや低く総パワーが低い傾向が観察された. 平均振幅とBMIとの間で有意な負の相関が認められ, 体格の影響が...

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Hauptverfasser: 渡辺丈眞, 杉山由樹, 炭美子, 渡邊美寿津, 小林章雄, 河野公一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:非侵襲的な生理機能評価法である経皮的胃電気活動(いわゆる胃電図)に着目し, 消化管系機能の客観的ストレス評価指標として本法が利用可能であるか検討した. 対象は, 夜勤の多い某電気機械機器産業従業員85人とし, 胃電図測定は, 空腹時安静仰臥位にて5分間実施し, 後にPower Spectral Analysis(最大エントロピー法)にて1~5cpmの周波数帯域でのパワー値から評価指標を算出した. 胃X線検査有所見者の胃電図では周波数がやや高く総パワーが低い傾向が, 糖尿病既往者では周波数がやや低く総パワーが低い傾向が観察された. 平均振幅とBMIとの間で有意な負の相関が認められ, 体格の影響が示唆された. 残業時間の多い者は糖尿病既往者と類似する胃電図の特徴が, 出張頻度の高い者は胃X線有所見者と一部類似する特徴が観察された. 循環系ストレス評価指標との間にはほとんど有意な関連は認められなかったが, 2.5~3.5cpmのパワー率が心拍変動から評価した自律神経機能との問で一部有意な相関を示した. 以上の結果より, 職域ストレス研究への胃電図利用の可能性を示した.
ISSN:1341-0725