トータル・ヘルス・プロモーション・プランとしての運動指導の方策とその評価に関する研究

職域でのトータル・ヘルス・プロモーション・プラン(THP)の一環として, 最大心拍数にもとづいた定量的な運動をトレッドミルにより6ヵ月間実施し, 脂質代謝との関連を検討した. 対象は, 石油コンビナート従業員1,300人の中から, 1996年の職域における健康診断において, 高血圧, 高脂血症, 肥満, 高血糖のいずれか2つ以上の循環器疾患の危険因子を有し, 運動指導が可能な男性108人を研究対象とした. そして, 運動実施群54人と対照群54人の2群に無作為割付を行った. 運動実施群に対して, 1回20分のトレッドミルによる歩行運動を週3回, 6ヶ月間継続するように指導した. トレッドミルに...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 1999, Vol.41 (3), p.79-80
Hauptverfasser: 深堀勝, 青野裕士, 斉藤功, 池辺淑子, 小澤秀樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:職域でのトータル・ヘルス・プロモーション・プラン(THP)の一環として, 最大心拍数にもとづいた定量的な運動をトレッドミルにより6ヵ月間実施し, 脂質代謝との関連を検討した. 対象は, 石油コンビナート従業員1,300人の中から, 1996年の職域における健康診断において, 高血圧, 高脂血症, 肥満, 高血糖のいずれか2つ以上の循環器疾患の危険因子を有し, 運動指導が可能な男性108人を研究対象とした. そして, 運動実施群54人と対照群54人の2群に無作為割付を行った. 運動実施群に対して, 1回20分のトレッドミルによる歩行運動を週3回, 6ヶ月間継続するように指導した. トレッドミルによる歩行運動は, 運動中の心拍数が最大心拍数の70-75%強度となる歩行速度を設定して実施した. 6カ月間の運動指導において, 運動実施群ではウエストヒップ比の減少, およびHDLコレステロールとHDL2コレステロール(HDL2C)の有意な増加が認められた. さらに, HDL2CとHDL3コレステロールの比は, 運動実施群で増加し, 対照群では減少した. しかしながら, 総コレステロールに対しては改善効果を認めなかった. また. 運動実施群では, 最大心拍数の70-75%強度での持続歩行が可能である至適歩行速度が増加した. 木研究ではTHPとしての運動指導で, 最大心拍数を指標とする6ヵ月問の運動プログラムを実施した. その結果, 運動実施群では抗動脈硬化作用のあるHDLCおよびHDL2Cが増加した. また, 血清脂質以外にも, 至適歩行速度の増加, あるいはウエストヒップ比の減少などの運動指導の効果を認めた. (J Occup Health 1999;41:76-82)
ISSN:1341-0725