2,2-Dichloro-1,1,1-trifluoroethane(HCFC-123)曝露作業者における急性肝機能障害
オゾン層破壊係数の高いCFC-11の代替物質として使用される2,2-dichloro-1,1,1-trifluoroethane(HCFC-123)曝露作業者に認められた急性肝機能障害について報告する. HCFC-123を冷媒として用いる小型容器の製造工程に従事する14名の作業者のうち2名の作業者が, 製造本格化およそ5週間後の1997年10月13日に, 強い体調不良を訴えた. 検査の結果, 黄疸を伴う著しい肝機能障害が認められた(AST822IU/リットル, ALT1715IU/リットル, 総ビリルビン4.4mg/dlおよびAST304IU/リットル, ALT1027IU/リットル, 総ビリ...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 1998, Vol.40 (4), p.195-195 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | オゾン層破壊係数の高いCFC-11の代替物質として使用される2,2-dichloro-1,1,1-trifluoroethane(HCFC-123)曝露作業者に認められた急性肝機能障害について報告する. HCFC-123を冷媒として用いる小型容器の製造工程に従事する14名の作業者のうち2名の作業者が, 製造本格化およそ5週間後の1997年10月13日に, 強い体調不良を訴えた. 検査の結果, 黄疸を伴う著しい肝機能障害が認められた(AST822IU/リットル, ALT1715IU/リットル, 総ビリルビン4.4mg/dlおよびAST304IU/リットル, ALT1027IU/リットル, 総ビリルビン7.5mg/dl). 残りの12名の作業者についても検査を実施, 強い肝機能障害のあった2名を加えた計4名の作業者をただちに休業とし, 同時に局所排気設備設置などの作業環境改善対策を実施した. 5名の作業者には, 肝機能指標値の軽度上昇が観察された. HCFC-123以外には, 肝機能障害の原因となるような要因は明らかではなく, また, 著しい肝機能障害のあった4名の作業者はいずれも, 主として, HCFC-123に直接曝露される作業に従事していた. HCFC-123曝露からの離脱と作業環境の改善により, 観察された肝機能障害は, 11月末までには正常範囲レベルに回復した. 以上の結果より, 本症例は, HCFC-123への繰り返し曝露により急性肝機能障害が引き起こされたと考えられた. 今後は, HCFC-123曝露レベルと肝機能障害との関係, あるいはヒトにおける毒性メカニズムについて, より詳細に検討する必要がある. |
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ISSN: | 1341-0725 |