フサリウム暴露によるマウスの過敏性肺炎に関する研究

採取したナス枯葉をコーンミール寒天培地に植え, フサリウムを純粋分離した. さらに, 振とう培養にて大量にフサリウム菌体を培養したのち, これを凍結乾燥しフサリウムの凍結乾燥菌体を得た. この凍結乾燥菌体を0.1Mりん酸緩衝液に溶解したのち, エーテル麻酔下のマウス(C57black/6j;雌)へ点鼻法にて, 1週間に5回の頻度で, 4週間に渡り暴露した. 飼育期間中および屠殺時のマウスの呼吸運動に対する肉眼的観察では, 対照群, 低量暴露群および高量暴露群に違いはみられなかった. しかしながら, フサリウム凍結乾燥菌体の暴露群では肺重量が増加していた. また, マウス血清中のIgGをみると,...

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Hauptverfasser: 原田幸一, 大森昭子, 魏長年, 上田厚
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:採取したナス枯葉をコーンミール寒天培地に植え, フサリウムを純粋分離した. さらに, 振とう培養にて大量にフサリウム菌体を培養したのち, これを凍結乾燥しフサリウムの凍結乾燥菌体を得た. この凍結乾燥菌体を0.1Mりん酸緩衝液に溶解したのち, エーテル麻酔下のマウス(C57black/6j;雌)へ点鼻法にて, 1週間に5回の頻度で, 4週間に渡り暴露した. 飼育期間中および屠殺時のマウスの呼吸運動に対する肉眼的観察では, 対照群, 低量暴露群および高量暴露群に違いはみられなかった. しかしながら, フサリウム凍結乾燥菌体の暴露群では肺重量が増加していた. また, マウス血清中のIgGをみると, 暴露群では, 対照群より血清IgGが増加していた. 病理標本の観察では, 暴露群にマクロファージの活性化像や, 巨細胞性肉芽腫による無気肺がみられていた. 以上の結果より, フサリウムの凍結乾燥菌体によるマウスでの過敏性肺炎の発症を確認することができた.
ISSN:1341-0725