カルニチンの抗けいれん作用

カルニチンは, 脂肪酸のミトコンドリア内膜通過に必要な物質であるが, 神経系での機能については明らかにされていない. 我々は先にカルニチンが, 脳虚血やアンモニア負荷時の脳エネルギー代謝物濃度の変化を抑制することを認めている. カルニチンはまた高アンモニア血症で誘発されたけいれんを抑制する. そこで, 化学的けいれん誘発に最も広く用いられるペンチレンテトラゾール(PTZ)を用いたけいれんに対しても有効か否かを検討した. 雄性ddYマウスにカルニチンを腹腔内投与後, PTZを投与した. その結果, カルニチンは用量依存性にけいれんを抑制した. また, L型はD型に比して有効であったが, D型との...

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Hauptverfasser: 井料佳久, 余争平, 松岡雅人, 伊規須英輝
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:カルニチンは, 脂肪酸のミトコンドリア内膜通過に必要な物質であるが, 神経系での機能については明らかにされていない. 我々は先にカルニチンが, 脳虚血やアンモニア負荷時の脳エネルギー代謝物濃度の変化を抑制することを認めている. カルニチンはまた高アンモニア血症で誘発されたけいれんを抑制する. そこで, 化学的けいれん誘発に最も広く用いられるペンチレンテトラゾール(PTZ)を用いたけいれんに対しても有効か否かを検討した. 雄性ddYマウスにカルニチンを腹腔内投与後, PTZを投与した. その結果, カルニチンは用量依存性にけいれんを抑制した. また, L型はD型に比して有効であったが, D型との同時投与による明らかな効果抑制は認められなかった. これらから, カルニチンが複数のけいれんモデルにおいて有効なことが明らかとなった.
ISSN:1341-0725