鉛とセレンの生体内相互作用

鉛作業者の赤血球中の種々の元素濃度を測定したところ, 鉛濃度の高い群(平均1.63μg/gHb, n=18)でセレンも高値(0.73μg/gHb, n=18)であることを見出した. そこでPbとSeの相互作用を知る目的でヒト血液を使いin vitro実験を行なった. 全血に(a)50μMSe, (b)50μMPb, (c)各50μMのSeとPb, あるいは(d)5% glucoseを加えて37℃で1時間, 4℃で20時間incubateし, 溶血させ, 遠心上清をBio-gelAカラムで分け, 蛋白, Pb, Se, ALADを測定した. その結果(1)PbはSeがHb分画に取り込まれるのを抑...

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Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 1997, Vol.39 (2), p.71-71
Hauptverfasser: 謝亜雄, 千葉百子, 篠原厚子, 渡辺弘美, 稲葉裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:鉛作業者の赤血球中の種々の元素濃度を測定したところ, 鉛濃度の高い群(平均1.63μg/gHb, n=18)でセレンも高値(0.73μg/gHb, n=18)であることを見出した. そこでPbとSeの相互作用を知る目的でヒト血液を使いin vitro実験を行なった. 全血に(a)50μMSe, (b)50μMPb, (c)各50μMのSeとPb, あるいは(d)5% glucoseを加えて37℃で1時間, 4℃で20時間incubateし, 溶血させ, 遠心上清をBio-gelAカラムで分け, 蛋白, Pb, Se, ALADを測定した. その結果(1)PbはSeがHb分画に取り込まれるのを抑制する, (2)PbはALAD分画とそれより分子量の大きい分画と小さい分画の三つのピークを示した. (3)in vitroの系ではALADより大分子量側に小さい蛋白のピークが出現し, 僅かながらALAD活性を示した. このピークは長期Pb作業者の血液では存在しない. このことはin vivoとin vitroのメカニズムの違いを示唆するものであり, 更なる検討が必要である.
ISSN:1341-0725