無機水銀曝露ラット腎臓におけるDNAフラグメント化の誘導

アポトーシスは, 元来はクロマチンの凝集という形態学的な特徴から見い出された死に方であるが, 現在では, 不必要な細胞を積極的に排他する機構として, 生理条件下で認められる死としてとらえられている. これに対して毒物が引き起こす死は, 一般的なアポトーシスが遺伝子に支配された死であるのと対照的に, 偶発的な死, ネクローシスとして考えられてきた. 水銀の毒性も, 腎臓の近位尿細管上皮細胞の障害が特徴的で, これまでネクローシスという概念で説明されてきた. 本論文では, 塩化第二水銀をラットに投与すると, その標的臓器である腎臓においてアポトーシスの生化学的指標であるDNAのフラグメント化が誘導...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:産業衛生学雑誌 1997, Vol.39 (1), p.67-68
Hauptverfasser: 本間志乃, 石堂正美, 熊谷嘉人, 竹中康浩, 下條信弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:アポトーシスは, 元来はクロマチンの凝集という形態学的な特徴から見い出された死に方であるが, 現在では, 不必要な細胞を積極的に排他する機構として, 生理条件下で認められる死としてとらえられている. これに対して毒物が引き起こす死は, 一般的なアポトーシスが遺伝子に支配された死であるのと対照的に, 偶発的な死, ネクローシスとして考えられてきた. 水銀の毒性も, 腎臓の近位尿細管上皮細胞の障害が特徴的で, これまでネクローシスという概念で説明されてきた. 本論文では, 塩化第二水銀をラットに投与すると, その標的臓器である腎臓においてアポトーシスの生化学的指標であるDNAのフラグメント化が誘導されたことを報告する. (J Occup Health 1997;39:70-71)
ISSN:1341-0725