印刷工場従業員における肝機能障害の年齢別解析
我々は肝機能障害と生活関連要因との年齢別関係に関する横断的調査を行った. ここで「肝機能障害」とは血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ, 血清アラニンアミノトランスフェラーゼの一方または両者の異常とした. 対象は印刷工場に勤務する24~63歳の男であるが, 肝機能障害を起こす物質への職業曝露はない. このうちB型肝炎ウイルス抗原陽性者およびC型肝炎ウイルス抗体陽性者計7名を除く901名について解析を行った. 肝機能障害の割合は40歳代が21%ともっとも高かった. 20歳代は15%と最低で, 20歳代と40歳代との割合の差の検定によるp値は0.058であった. 40歳代でもっとも肝機能障害...
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Veröffentlicht in: | 産業衛生学雑誌 1997, Vol.39 (1), p.65-65 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我々は肝機能障害と生活関連要因との年齢別関係に関する横断的調査を行った. ここで「肝機能障害」とは血清アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ, 血清アラニンアミノトランスフェラーゼの一方または両者の異常とした. 対象は印刷工場に勤務する24~63歳の男であるが, 肝機能障害を起こす物質への職業曝露はない. このうちB型肝炎ウイルス抗原陽性者およびC型肝炎ウイルス抗体陽性者計7名を除く901名について解析を行った. 肝機能障害の割合は40歳代が21%ともっとも高かった. 20歳代は15%と最低で, 20歳代と40歳代との割合の差の検定によるp値は0.058であった. 40歳代でもっとも肝機能障害の割合が高かった理由は, (1)危険因子である肥満および飲酒習慣の割合も高いこと, (2)非飲酒者での肥満の影響が他の年齢群よりも高いことの二つと考えられた:非飲酒・非肥満者を基準とした場合, 年齢を調整したMantel-Haenszel法によるprevalence ratio(MHPR)が, 中程度の肥満で1.6(95%信頼区間0.97~2.7, 以下同様にカッコ内は95%信頼区間), 高度肥満で4.4(2.8~7.1)であるのに対し, 40歳代のprevalence ratio(PR)は, 中程度の肥満で3.4(1.1~10), 高度肥満で8.2(3.0~23)であった. 飲酒・非肥満者を基準にした場合, 40歳代の肥満のPRはやや低めであるが, これは非飲酒・非肥満者に対する飲酒・非肥満者のリスクが高いことも影響している. 一方, 飲酒者の割合は40歳代でもっとも高かった. 対象集団においては, 飲酒習慣よりも肥満の方が肝機能障害の要因として主要な役割を果たしていると思われた. 非肥満群に対するMHPRは, 非飲酒者では上述のごとくであり, 飲酒者では中程度肥満群で2.3(1.5~3.6), 高度肥満群で3.1(1.7~5.7)であった. 飲酒によるMHPRは, 非肥満群, 高度肥満群で1.0前後, 中程度肥満群のみ1.8(1.1~2.8)であった. (J Occup Health 1997;39:45-50) |
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ISSN: | 1341-0725 |