聴力障害の自己評価尺度としての“Hearing Disabilities and Handicap Scale(HDHS)”

聴力障害の自己評価尺度として, これまでに様々な自己記入式質問紙が開発されている. 今回, 我々は, 1964年にNobleらによって作られた“Hearing Measurement Scale”をベースにして開発された“Hearing Disabilities Handicap Scale(HDHS)”に注目し, その日本語版を作成した. HDHSの特徴は, 1)被験者の自己評価に基づくものであること, 2)回答に要する時間が10分をこえないよう, 質問項目を20に絞っていること, 3)回答を容易にするために選択肢を4段階とし, すべて, “Never/Sometimes/Often/Alw...

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Hauptverfasser: 宮北隆志, 上田厚
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:聴力障害の自己評価尺度として, これまでに様々な自己記入式質問紙が開発されている. 今回, 我々は, 1964年にNobleらによって作られた“Hearing Measurement Scale”をベースにして開発された“Hearing Disabilities Handicap Scale(HDHS)”に注目し, その日本語版を作成した. HDHSの特徴は, 1)被験者の自己評価に基づくものであること, 2)回答に要する時間が10分をこえないよう, 質問項目を20に絞っていること, 3)回答を容易にするために選択肢を4段階とし, すべて, “Never/Sometimes/Often/Always”に統一したこと, 4)聴取障害とそれに伴うハンディキャップに関するそれぞれ二つのサブスケールから構成されていることなどである. 現在, 日本語版HDHSの第3版を用い, いくつかの対象グループを設定してデータの収集・解析を行っているところであるが, 翻訳の適切さに関しては, 4名のバイリンガルによる逆翻訳により, 評価尺度の妥当性については, 因子分析(バリマックス回転)により, また, 尺度の信頼性については, クロンバックの信頼性係数αをもとに検討を加えている. 改善すべき点は残されていると考えるが, 騒音作業従事者並びに退職者におけるコミュニケーション障害の性質とその大きさを, 本人のQOLとの関連をも含めて明らかにする上での, 一つの手がかりとなる情報を提供してくれるものとして, また, 今後その必要性並びに重要性を増して行くであろう, 介入やリハビリテーションの効果を判定する尺度として活用することができると考える.
ISSN:1341-0725