眼窩血管奇形に対する外科的切除後に形成された動静脈シャントの1例
【目的】我々は,文献上報告のない上眼窩裂周囲に多房性の静脈腔を伴う動静脈シャントを経験したため報告する.【症例】51歳女性で,幼少期に右眼窩内の血管奇形で右前頭側頭開頭による手術歴があった.右眼痛,右眼球突出,右眼球結膜充血を認めた.血管造影検査にて蝶形骨縁から中頭蓋底にかけての上眼窩裂付近に特異的な多房性の静脈腔を認め,その静脈壁に比較的限局した動静脈シャントを認めた.外頚動脈の末梢の分枝から栄養され,上眼静脈へシャント血流は流出していた.動静脈シャントが形成された静脈腔は,上眼静脈や海綿静脈洞に連続していたが,単一の静脈というよりは多房性の静脈構造であり,静脈奇形などに続発した動静脈シャン...
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Veröffentlicht in: | 脳血管内治療 2023, Vol.8(2), pp.63-67 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】我々は,文献上報告のない上眼窩裂周囲に多房性の静脈腔を伴う動静脈シャントを経験したため報告する.【症例】51歳女性で,幼少期に右眼窩内の血管奇形で右前頭側頭開頭による手術歴があった.右眼痛,右眼球突出,右眼球結膜充血を認めた.血管造影検査にて蝶形骨縁から中頭蓋底にかけての上眼窩裂付近に特異的な多房性の静脈腔を認め,その静脈壁に比較的限局した動静脈シャントを認めた.外頚動脈の末梢の分枝から栄養され,上眼静脈へシャント血流は流出していた.動静脈シャントが形成された静脈腔は,上眼静脈や海綿静脈洞に連続していたが,単一の静脈というよりは多房性の静脈構造であり,静脈奇形などに続発した動静脈シャントであると思われた.選択的経静脈的塞栓を行い,動静脈シャントは消失し,眼症状も消失した.【結論】眼窩血管奇形の術後に,動静脈シャントが残存した静脈壁に形成されることがある.経静脈的塞栓術が有効な治療となり得る. |
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ISSN: | 2423-9119 2424-1709 |
DOI: | 10.20626/nkc.cr.2023-0002 |