シルビウス静脈の直接穿刺で経静脈的塞栓術を行った海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の1 例

要旨 【目的】大腿静脈穿刺による経静脈的塞栓術(transvenous embolization; TVE)が困難な海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻(cavernous sinus dural arteriovenous fistula; CSdAVF)に対して,シルビウス静脈を直接穿刺しTVE を行った症例を経験したので報告する.【症例】72 歳,女性.眼球結膜充血の精査でCSdAVF と診断した.主な流出路はシルビウス静脈への逆流であり,右側頭葉に無症候性の脳内出血を認めた.下錐体静脈洞経由など大腿静脈からはアクセスできず,開頭下にシルビウス静脈を留置針で直接穿刺し,術中脳血管撮影を併用してTVE...

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Veröffentlicht in:Journal of Neuroendovascular Therapy 2015, Vol.9(5), pp.254-259
Hauptverfasser: 阿河, 祐二, 今村, 博敏, 峰晴, 陽平, 谷, 正一, 足立, 秀光, 鳴海, 治, 坂井, 千秋, 佐藤, 慎祐, 浅井, 克則, 柴田, 帝式, 森本, 貴昭, 清水, 寛平, 坂井, 信幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨 【目的】大腿静脈穿刺による経静脈的塞栓術(transvenous embolization; TVE)が困難な海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻(cavernous sinus dural arteriovenous fistula; CSdAVF)に対して,シルビウス静脈を直接穿刺しTVE を行った症例を経験したので報告する.【症例】72 歳,女性.眼球結膜充血の精査でCSdAVF と診断した.主な流出路はシルビウス静脈への逆流であり,右側頭葉に無症候性の脳内出血を認めた.下錐体静脈洞経由など大腿静脈からはアクセスできず,開頭下にシルビウス静脈を留置針で直接穿刺し,術中脳血管撮影を併用してTVE を行い,シャントを閉塞した.【結論】シルビウス静脈への逆流が多く大腿静脈穿刺によるTVE が困難なCSdAVF は,シルビウス静脈の直接穿刺がアプローチルートとして有用であると考えられた.
ISSN:1882-4072
2186-2494
DOI:10.5797/jnet.cr.2015-0036