骨格筋の機能をどのように評価すべきか:筋疲労研究からの示唆

これまで骨格筋の機能測定には,試験管内で筋収縮力を測定する手法が広く用いられてきた.しかしながら,収縮時の外部環境が生体内とは大きく異なること,および血流による物質運搬がなされないことなどから,試験管内で筋収縮力を測定することに疑問が呈され始めている.この問題を解決するために,我々は,生体内筋収縮とメカニカルスキンドファイバー(mechanically skinned fibre:MSF)を組み合わせた筋機能の評価方法を確立してきた.この方法では,生体内での筋収縮力を測定した後,主動筋からMSFを作製し,細胞内小器官の機能測定を行う.この方法によって,試験管内での評価系の欠点を克服できるだけで...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2022, Vol.157(1), pp.9-14
Hauptverfasser: 渡邊, 大輝, 神崎, 圭太, 和田, 正信
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:これまで骨格筋の機能測定には,試験管内で筋収縮力を測定する手法が広く用いられてきた.しかしながら,収縮時の外部環境が生体内とは大きく異なること,および血流による物質運搬がなされないことなどから,試験管内で筋収縮力を測定することに疑問が呈され始めている.この問題を解決するために,我々は,生体内筋収縮とメカニカルスキンドファイバー(mechanically skinned fibre:MSF)を組み合わせた筋機能の評価方法を確立してきた.この方法では,生体内での筋収縮力を測定した後,主動筋からMSFを作製し,細胞内小器官の機能測定を行う.この方法によって,試験管内での評価系の欠点を克服できるだけでなく,生体内での筋収縮力変化の原因を詳細に検討できる.本総説では,試験管内で筋収縮力を測定することの欠点とその理由について概説し,我々が確立してきた評価系について議論する.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.21065