microRNAによる薬物代謝制御に関する最新知見
薬物代謝反応は医薬品の体内動態,薬効,副作用発現を左右する要因である.主な薬物代謝酵素であるシトクロムP450(P450,CYP)やUDP-グルクロン酸抱合酵素(UGT)の肝臓における発現量や酵素活性には大きな個人差が存在し,薬物応答性の差異の原因となる.薬物代謝酵素の発現制御機構については,転写過程における制御メカニズムを中心に研究が進められてきた.加えてここ10年の研究の進歩によりmicroRNA(miRNA)による転写後制御に関する知見が蓄積してきた.miRNAは22塩基程度の内因性のスモールRNAであり,標的mRNAに部分相補的に結合することでその発現を負に制御する.最近ではmiRNA...
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Veröffentlicht in: | 日本薬理学雑誌 2019, Vol.154(1), pp.28-34 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 薬物代謝反応は医薬品の体内動態,薬効,副作用発現を左右する要因である.主な薬物代謝酵素であるシトクロムP450(P450,CYP)やUDP-グルクロン酸抱合酵素(UGT)の肝臓における発現量や酵素活性には大きな個人差が存在し,薬物応答性の差異の原因となる.薬物代謝酵素の発現制御機構については,転写過程における制御メカニズムを中心に研究が進められてきた.加えてここ10年の研究の進歩によりmicroRNA(miRNA)による転写後制御に関する知見が蓄積してきた.miRNAは22塩基程度の内因性のスモールRNAであり,標的mRNAに部分相補的に結合することでその発現を負に制御する.最近ではmiRNAによる薬物代謝制御に偽遺伝子や一塩基多型の存在,ならびにRNA編集が影響を与えることが明らかになり,miRNAと標的遺伝子の1対1の関係のみに着目するだけでは説明がつかない発現制御の事例が明らかになってきた.本稿ではこれらを含めmiRNAによる薬物代謝制御について最新知見を紹介する. |
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ISSN: | 0015-5691 1347-8397 |
DOI: | 10.1254/fpj.154.28 |