食物アレルギーの検査・診断法の現状と課題

「1. はじめに」 食物アレルギーは『食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象』と定義される疾患である. 日本における有症率は乳児が5~10%, 幼児が約5%, 学童期以降が1.5~3%と推定されている. 食物アレルギーの症状は, 皮膚のかゆみや湿疹などの皮膚症状や, 喘鳴などの呼吸器症状, 腹痛, 下痢などの消化器症状など多岐にわたる. 重篤な場合, 血圧低下や意識障害などを伴うアナフィラキシーショックにより死に至る場合もある. 食物アレルギーの患者数は過去10年で約1.7倍に増加していることからも, より簡便でかつ正確な診断法と治療...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2018, Vol.152(5), pp.256-257
Hauptverfasser: 益子, 櫻, 中村, 達朗, 村田, 幸久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 食物アレルギーは『食物によって引き起こされる抗原特異的な免疫学的機序を介して生体にとって不利益な症状が惹起される現象』と定義される疾患である. 日本における有症率は乳児が5~10%, 幼児が約5%, 学童期以降が1.5~3%と推定されている. 食物アレルギーの症状は, 皮膚のかゆみや湿疹などの皮膚症状や, 喘鳴などの呼吸器症状, 腹痛, 下痢などの消化器症状など多岐にわたる. 重篤な場合, 血圧低下や意識障害などを伴うアナフィラキシーショックにより死に至る場合もある. 食物アレルギーの患者数は過去10年で約1.7倍に増加していることからも, より簡便でかつ正確な診断法と治療法の開発が求められている. 本稿では, 現在行われている食物アレルギーの診断法とともに, 我々が現在開発中の食物アレルギー特異的尿中バイオマーカーの有用性について紹介したい.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.152.256