ローカル発の新薬創製魂

ドナルド・トランプ氏が第45代アメリカ合衆国大統領に就任し, グローバル化と自由競争とは逆行する動きの世界中への飛び火が懸念されています. しかし, これはアメリカが押し進めてきたグローバル化政策がもたらした貧富の格差拡大という歪みによる必然的な結果とも捉えられています. 医薬品業界でもM&Aによるグローバル化の動きが活発化していますが, 行き着く先を見通すのは非常に困難です. このような時代だからこそ, ローカリズムと独自性について考えてみる良い機会かも知れません. かつて, 独自の人材育成と技術開発というローカルな視点に立って「新薬創製」に大きく貢献した吉富製薬という製薬企業がありました. 吉富製薬の新薬創製に親族や知人も深く関わっていましたので少し書き留めておきたいと思います. 1946年, 武田薬品は各系列会社に独立した体制を整えさせる方針を打ち出し, 各系列会社の社名変更が行われました. これに伴い, 武田化成は吉富製薬へと社名変更を行いました.