特集 新たな血管作動性物質と受容体に着目した血管研究の新展開 序文

メタボリックシンドロームに関連する虚血性心血管疾患(心筋梗塞, 脳梗塞)は未だに我が国の死亡原因の上位に位置する. すなわちレニン・アンジオテンシン系阻害薬, カルシウム拮抗薬, スタチンといった優れた薬剤が高血圧, 動脈硬化, 脂質異常症の治療に大きく貢献してきたものの, これらを凌ぐ新たな治療標的の開拓と創薬が今日望まれていることを意味する. 脂肪組織由来のホルモンであるアディポカインは高血圧, 動脈硬化, 心筋梗塞などの内臓肥満を病態基盤とする心血管疾患の発症・進展と関わりがあることが近年注目されている. アディポカインは, メタボリックシンドロームの病態形成に対して促進的に働くいわゆる...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2016-03, Vol.147 (3), p.129-129
Hauptverfasser: 山脇英之, 松本貴之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:メタボリックシンドロームに関連する虚血性心血管疾患(心筋梗塞, 脳梗塞)は未だに我が国の死亡原因の上位に位置する. すなわちレニン・アンジオテンシン系阻害薬, カルシウム拮抗薬, スタチンといった優れた薬剤が高血圧, 動脈硬化, 脂質異常症の治療に大きく貢献してきたものの, これらを凌ぐ新たな治療標的の開拓と創薬が今日望まれていることを意味する. 脂肪組織由来のホルモンであるアディポカインは高血圧, 動脈硬化, 心筋梗塞などの内臓肥満を病態基盤とする心血管疾患の発症・進展と関わりがあることが近年注目されている. アディポカインは, メタボリックシンドロームの病態形成に対して促進的に働くいわゆる'悪玉'と抑制的に働く'善玉'に分類することが可能である.
ISSN:0015-5691