ペリサイトと血液脳関門調節機構

「1. 血液脳関門とは」 末梢組織とは異なり, 血液中を循環する物質の脳実質への移行は高度に制御されているため, 容易に脳内へ移行することはできない. この血液中と脳内との間の物質の移動を制御する仕組みは「血液脳関門(blood-brain barrier:BBB)」とよばれる. 古くから血液中の物質が脳内へ移行し難いことは知られていた. 1800年代後半から1900年代前半にかけてEhlrichやGoldmanらが, この現象を実験的に証明し, 血液と脳実質との間に在る障壁, すなわち「血液脳関門」の存在を提唱した. 実験技術の発展に伴って, その実体が脳の毛細血管であること, さらにこの毛...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2015, Vol.146(1), pp.63-65
Hauptverfasser: 道具, 伸也, 高田, 芙友子, 片岡, 泰文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 血液脳関門とは」 末梢組織とは異なり, 血液中を循環する物質の脳実質への移行は高度に制御されているため, 容易に脳内へ移行することはできない. この血液中と脳内との間の物質の移動を制御する仕組みは「血液脳関門(blood-brain barrier:BBB)」とよばれる. 古くから血液中の物質が脳内へ移行し難いことは知られていた. 1800年代後半から1900年代前半にかけてEhlrichやGoldmanらが, この現象を実験的に証明し, 血液と脳実質との間に在る障壁, すなわち「血液脳関門」の存在を提唱した. 実験技術の発展に伴って, その実体が脳の毛細血管であること, さらにこの毛細血管を構成する脳血管内皮細胞同士はタイトジャンクション構成タンパク質群で強固に密着しており, これが末梢血管とは異なる脳毛細血管の高度なバリア機能を担うことが明らかになった.
ISSN:0015-5691
1347-8397
DOI:10.1254/fpj.146.63