3 医薬品研究開発の生産性向上へのチャレンジ トランスレーショナルリサーチにおけるファーマコゲノミクス(ゲノム薬理学)の役割

要約:近年, 医薬品への研究開発投資は上昇しており, その一方で上市される医薬品の数は横ばいあるいは低下傾向にあり, 医薬品1剤あたりの開発コストの上昇, 研究開発の生産性低下が問題となっている. 研究開発の生産性を高めるため, 様々な取り組みが行われており, Exploratory IND(探索的IND, IND:investigational new drug), バイオマーカーの利用, PGx(pharmacogenomics:ファーマコゲノミクス, またはゲノム薬理学)の導入やイメージング技術などを医薬品開発の加速ツールとするトランスレーショナルリサーチ(translational r...

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Veröffentlicht in:日本薬理学雑誌 2013-03, Vol.141 (3), p.131-135
1. Verfasser: 劉世玉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要約:近年, 医薬品への研究開発投資は上昇しており, その一方で上市される医薬品の数は横ばいあるいは低下傾向にあり, 医薬品1剤あたりの開発コストの上昇, 研究開発の生産性低下が問題となっている. 研究開発の生産性を高めるため, 様々な取り組みが行われており, Exploratory IND(探索的IND, IND:investigational new drug), バイオマーカーの利用, PGx(pharmacogenomics:ファーマコゲノミクス, またはゲノム薬理学)の導入やイメージング技術などを医薬品開発の加速ツールとするトランスレーショナルリサーチ(translational research:TR)は大きく期待されている. PGxは, 特定の疾患において, 患者のゲノム情報に基づいて, 有効で安全性の高い医薬品を提供することを目的としている. 製薬企業にとっては, ゲノム情報を用いた「個別化医療」の実現を目指した創薬開発と言える. TRにおけるPGxの役割は, ゲノム情報を導入することにより, 探索の段階では, より早期に各疾患の創薬ターゲットやバイオマーカーの確立を可能にする.
ISSN:0015-5691